広島県の「本当に住みやすい街大賞」で確信した、地方都市の「狙い目駅の法則」
9月22日、住宅ローン専門金融機関「ARUHI」が主催する「本当に住みやすい街大賞2021 in 広島」が発表された。
広島県で「本当に住みやすい街大賞」に輝いた街は「天神川(駅周辺)」だった。といっても、天神川がどこにあるのか分かる人は広島県にゆかりのある人以外では少ないだろう。
天神川駅は広島市南区に位置するのだが、天神川エリアの大部分は広島市に隣接する府中町となる……と聞いても多くの人は「?」となるはず。天神川駅周辺にはイオンモール広島府中があり、府中町は全国の「町」のなかで推定人口が最も多い……も「??」ではないか。
じつは選ばれた街に対して「?」が多くなるのは、「本当に住みやすい街大賞」の特徴である。
首都圏では埼玉県の「川口」が2年連続の大賞だし、関西では「JR尼崎」が大賞。「?」となる人が多く、「もっとよい街がたくさんある」といわれる。そして、「選択基準が分からない」ともされる。
知名度の低い街が選出される理由を、同賞の審査委員長を務める私から説明させていただきたい。
「住宅ローンを組んで家を買った人が多いエリア」から選出
「本当に住みやすい街大賞 」は2018年から始まった表彰で、首都圏は毎年12月にその年の大賞を発表。それ以外の都市の「本当に住みやすい街」も年に3回程度発表されている。
これまで、大阪、名古屋、福岡、宮城、静岡、北海道で大賞を選び、今回は広島県での大賞発表となった。
同賞の最大の特徴は、「住宅ローンを組んでマイホームを買った人が多い街から大賞を選ぶ」こと。人気やイメージで街を選ぶのではない。
「ARUHI」の住宅ローン利用者データを活用し、直近1年間で、フラット35の利用者が多い街を候補地とするため、街の顔ぶれは他の街選びと大きく異なってしまう。
住宅ローン利用者の多い街が候補となるため、憧れを集める有名住宅地はランキングに入りにくい。有名住宅地は住宅価格が高く、購入者が少ないからだ。一方で、新興の住宅地はランクインしやすい。そして、短期間に順位が変わりやすいのも同賞の特徴となる。
今回、「本当に住みやすい街大賞2021 in 広島」で大賞に輝いたのは天神川で、
10位までに入った街(駅で表示)は、以下のとおりだ。
1位:天神川(JR山陽本線)
2位:福山(JR山陽本線)
3位:五日市(JR山陽本線)
4位:段原一丁目(広島電鉄 皆実線)
5位:西条(JR山陽本線)
6位:西広島(JR山陽本線)
7位:大町(JR可部線)
8位:宮内串戸(JR山陽本線)
9位:海田市(JR呉線)
10位:広域公園前(広島高速交通 アストラムライン)
じつは、このランキングで地方都市で狙い目の駅を探す法則がみえてきたので、解説したい。
ランクインしている街の多くに共通するのは……
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