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民進党は「100の言葉より1つの結果」を噛みしめるべき

田中良紹ジャーナリスト

フーテン老人世直し録(252)

長月某日

蓮舫民進党代表が安倍総理に論戦を挑む初の代表質問は小池百合子東京都知事が所信表明演説を行う都議会初日と重なり、関心の高さにおいて小池氏に水をあけられる結果になった。

その代表質問において蓮舫氏は22の提案を行い、提案型の野党に変わったことを印象づけようとしたが、安倍総理は提案を一顧だにせず、逆に旧民主党政権時代を批判して「100の言葉より1つの結果」と切り捨てた。

旧民主党政権は国民の圧倒的支持を得て政権を勝ち取ったにもかかわらず、その選挙公約を反故にして国民の不信を買い、それからの選挙にことごとく負け続けてきた。結果がすべての政治の世界において、また国民の選挙で権力を決める民主主義政治においてそう言われれば返す言葉はない。

民進党は「100の言葉より1つの結果」と言った安倍総理の言葉を重く噛みしめるべきである。そんなことを書くと民進党の支持者から轟々の非難を受けるかもしれないが、しかし「100の言葉より1つの結果」は政治家が心しなければならない基本であり、それを敵から言われたからと言って無視するようでは永遠に選挙に勝てない。

と同時にフーテンはその言葉に、太平洋戦争に勝利してそれからの日本を永久に支配し続けようとする米国が、日本の外務大臣に対し「文句があるならもう一度戦争をして勝ってから言え」と迫ってきた言葉を思い出す。

前にも紹介したが、小泉政権時代に故町村外務大臣が米国から中国の軍備増強に対抗するよう要請されたとき、そういう米国が中国の人民解放軍と合同軍事演習を行っていることを疑問視すると、米側から発せられた言葉である。そこには圧倒的な自信を見せつけて相手を従属させようとする勝者の驕りというか傲慢さを感じる。

安倍総理は民進党の蓮舫代表に対し、戦勝国の米国が従属国日本を見るようにまるで敵とは看做さない態度をとった。その蓮舫氏の代表質問を参議院本会議場の傍聴席から野田幹事長が一人で見つめる姿がニュース番組で放送された。蓮舫執行部が事実上の野田執行部であることを裏付けるような映像である。

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ジャーナリスト

1969年TBS入社。ドキュメンタリー・ディレクターや放送記者としてロッキード事件、田中角栄、日米摩擦などを取材。90年 米国の政治専門テレビC-SPANの配給権を取得。日本に米議会情報を紹介しながら国会の映像公開を提案。98年CS放送で「国会TV」を開局。07年退職し現在はブログ執筆と政治塾を主宰■オンライン「田中塾」の次回日時:11月24日(日)午後3時から4時半まで。パソコンかスマホでご覧いただけます。世界と日本の政治の動きを講義し、皆様からの質問を受け付けます。参加ご希望の方は https://bit.ly/2WUhRgg までお申し込みください。

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