シャヘド136自爆無人機以外の新型無人機が大量飛来している可能性が大
ロシア軍の長距離ミサイル・ドローン攻撃に対する迎撃戦闘結果をウクライナ空軍司令部は毎日報告していますが、2024年10月5日、10月6日以降で発表の表現が変化しています。シャヘド136/131自爆無人機と表記しなくなったのです。出典:ウクライナ空軍司令部
- ЗБИТО: - (撃墜数) ударних БПЛА "Shahed-136/131"
- ЗБИТО: - (撃墜数) ударних БПЛА
ЗБИТО:破壊された(撃墜)
ударних БПЛА:体当り無人機(自爆無人機)
Shahed-136/131:シャヘド136およびシャヘド131
※シャヘド131をやや大型化したものがシャヘド136。飛来数は後者が主。
ウクライナ空軍司令部の報告している撃墜戦果の図表には10月5日まではシャヘド136/131自爆無人機と表記していたのですが、10月6日以降には自爆無人機としか表記していません。また報告の文章では10月5日以降に「シャヘド型の自爆無人機」という表現が消えています。
10月4日の報告までは「типу «Shahed»」とシャヘド型だと言及する表現がありますが、10月5日以降には文章から消えています。つまり図表の方は1日遅れの10月6日以降で新しい表記に対応したということになります。
これはウクライナ空軍司令部が飛来しているロシア軍の長距離無人機はシャヘド以外の新しい機種が混じっていたと10月5日に気付いたということを意味しています。今まで全てシャヘド扱いして集計していたが、実は違うのではないかー
すると、8月下旬以降に突如としてシャヘド136の飛来数が急激に増大した原因はこの「新しい機種」に起因する可能性があります。
- シャヘド136は別に増えていないのではないか?
- 迷走し未到達となる機体が急増しているが、最初から囮役の可能性は?
もし急増している「新しい機種」の無人機が自爆無人機ではなく、囮専門の無人機であった場合、未到達なのはシャヘド136の粗製乱造による不具合の続出ではなく、ロシア軍が最初から狙ったものだったことになります。
- シャヘド136自爆無人機が約1300機飛来、通常の3倍規模:ウクライナ迎撃戦闘2024年9月分の傾向(2024年9月30日)
- ロシア軍のシャヘド136自爆無人機の飛来数が大幅に増大している傾向、それにともない迷走数も増大(2024年9月11日)
あるいはシャヘド136も実際に増えているが、同時に「新しい機種」の無人機も増えているという、両方が原因の可能性もあります。ロシア軍が発射した無人機がルーマニアやベラルーシに侵入するケースも相次いでいるので、不具合ないし電子戦の妨害で迷走したケースも確実に含まれていると考えられます。
2024年10月5日付けのウクラインスカ・プラウダ紙が述べているように、ロシア軍の「新しい機種」と思われる無人機の候補としてはガーベラ(ゲルベラ、Гербера)無人機があります。しかし最近急増している機体の全てがこれであると証明されたわけではありません。ただし幾つかの撃墜報告があります。シャヘド136よりもかなり小さく、囮用の無人機ではないかと推定されています。