当社は女性や外国籍の人の評価が低い。これは人事評価差別なのか?
まったく同じ成果を出したのに、女性や外国籍の人の評価が低かった。これは人事評価差別なのだろうか?
そのような相談を受けたことがある。
そこで今回は、「区別」と「差別」、そして「ひいき」の違いについて解説したい。この違いがわかるだけで、会社の評価制度の問題、職場のレベル感がわかるだろう。
最後には人事評価差別にならないようにするワンポイントアドバイスもお伝えする。それでは具体的な例を使って解説しよう。
■「区別」「差別」「ひいき」の違いとは?
まずは「区別」と「差別」の違いについて考えてみたい。
私がスペインへ行ったとき、入国審査で外国人とスペイン人とで分けられた。これは区別である。
いっぽう、グラナダの食堂で注文をしようとしたが定員さんに無視された。後から入ってきたアメリカ人やオランダ人には応対しても、私はずっと無視され続けた。これは差別だったろうと思う。
次に常連のスペイン人がやってきて、その人は窓際のいい席に誘導した。これは「差別」とは言い難い。「ひいき」といっていいだろう。
このように、ある属性で分けることを「区別」と呼ぶ。分けたうえで、いっぽうを不当に扱うことを「差別」と呼ぶ。「ひいきは特定の誰かに肩入れすること、特別扱いすることだ。
■人事評価差別と思われないために
ポイントは、評価者も被評価者も「仮説思考」を身につけることだ。そうでないと防ぐことが難しい。差別と証明できないからだ。
<参考記事>
■【大作】頭の回転が遅い人・速い人の違い 「仮説思考」を身につける6つの基本手順
人事評価差別とは、被評価者の実際の仕事の成果や能力と関係なく不当な評価をすること。人事考課権の濫用とみなされ、違法と判断される場合もある。
大事なことは図のように、評価者も被評価者も「仮説」を立てて事前に合意をすることだ。そして定期的に面談して実績を検証すること。
(1)どんなことをすると、どのような評価となるのか?(仮説)
(2)どんなことが、どのような成果となったのか?(検証)
評価者はもちろんのこと、被評価者も「仮説思考」を身につけよう。そうでないと、なぜ「人事評価差別」なのか、そうでないのか、証明できないからだ。
<参考記事>