「間抜け」に加え「無知」を装う安倍政権の逃走術
フーテン老人世直し録(136)
弥生某日
日本人人質2人の「見殺し」を隠蔽するため「間抜け」を装ってきた安倍政権が、今度は「政治とカネ」の問題で「無知」を装い追及をかわそうとしている。
西川農水大臣辞任の際に「丁寧な説明責任が必要」と語った安倍総理が、自らに疑惑が及ぶと「知らない以上言いようがない」と開き直った。「無知」であれば「説明責任は無要」というのである。
国会の論戦を見ていると、安倍総理だけでなく下村文科大臣や中谷防衛大臣にも同じような開き直りが見られ、通常国会は「改革断行国会」ならぬ「開き直り断行国会」の様相を帯びている。こうした開き直りが可能となるのなら、日本は国民の民主主義に対する「無知」が浮き彫りにされることになる。
日本政府に「イスラム国」の人質となった2人を救出する意思がなかったことは明らかである。日本政府はテロリストとは直接交渉せず身代金の支払いにも応じないというアメリカ主導の「タテマエ」に従った。それはアメリカにすり寄るだけの安倍外交にとって当然の結論である。
しかしアメリカは身代金の支払いや交渉以外のオプション、すなわち軍事作戦によって人質救出を模索する国家である。だから「タテマエ」を主張するが、軍事作戦より身代金の支払いの方に救出の確率が高いと見る国は「タテマエ」とは別に政治力を発揮して自国民を救出する。
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