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八王子駅最寄りで15年ぶりに登場したコンパクトマンション、1LDKが郊外で売れる?

櫻井幸雄住宅評論家
八王子駅最寄りで15年ぶりに登場したコンパクトマンション。モデルルームで筆者撮影

 コンパクトマンションとは、3LDK中心のファミリ−向けマンションに対して、1LDK中心で1人暮らし、2人暮らしを主なターゲットとしたマンションのことを指す。

 便利な都心部にマッチした形態と考えられてきたため、「都心コンパクト」という言い方がされることもある。そのコンパクトマンションが郊外の八王子市内で販売を開始した。八王子駅最寄りの新築物件としては、15年ぶりの登場である。

 都心にマッチすると考えられてきたコンパクトマンションは、郊外でも売れるのか。その意外な利用価値と独自の工夫をレポートしたい。

全体の6割が30平米台の1LDK

 そのマンションは、11月から販売が始まる日鉄興和不動産の「リビオレゾン八王子レジデンス」。八王子駅を最寄りとし、全体のほぼ6割が約30平米、約37平米の1LDKとなる新築分譲マンションだ。

 1LDK以外の住戸は2LDKと3LDK。といっても、2LDKは約40平米で、3LDKは約55平米なので、2LDKは1LDKとして、3LDKは2LDKとして使うことが多くなると考えられる。全体として、コンパクトマンションに分類してよいだろう。

 ファミリー向けの3LDKを中心とする新築分譲マンションが目立つ八王子駅周辺で、コンパクトマンションは特異な存在。しかし、「リビオレゾン八王子レジデンス」は順調に集客している。そして、「投資向けとしてもわるくない」と思える特性も有している。

 同マンションが目指す方向性は、斬新でありながら納得感が大きいものだった。

今は、郊外だからこそ1LDKが好ましいといえる状況も

 利便性に勝る都心に対し、郊外は「子育て世帯に向く場所」というのが、従来の発想。1人暮らし、2人暮らしならば都心のほうがよい、と常識的に考えられてきた。

 なぜなら、都心部なら夜遅くまで開いている店が多いので1人暮らし、共働きでも生活しやすいから……昭和時代なら、そんな理由で納得する人が多かった。しかし、令和になった今、「都心便利」「郊外不便」の発想から行った分類には整合性が取れない。

 郊外でも、駅近エリアであれば1人暮らしでも不便さはないからだ。

 一方で、郊外ならではの利点もある。

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住宅評論家

年間200物件以上の物件取材を行い、全国の住宅事情に精通。正確な市況分析、わかりやすい解説で定評のある、住宅評論の第一人者。毎日新聞に連載コラムを持ち、テレビ出演も多い。著書多数。

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