都心の一等地・番町の新規マンションに南青山と異なる方向性。資産性はどちらが上?
東京都千代田区内で、「ザ・パークハウス グラン 三番町26」の販売がはじまった。
千代田区三番町26番に建設され、総戸数102戸。9月に第1期として販売されたのは40戸で、約67平米から約237平米の1LDK〜3LDKが1億4100万円から11億5800万円。平均坪単価はほぼ1000万円……この価格水準は、千代田区・港区・中央区で構成される純粋な都心部=純都心のなかでも特に高額の部類に入る。
それでも、「この場所であれば仕方がない」と受け入れられ、第1期販売は抽選住戸も出る人気ぶりとなった。
都心でも、番町と南青山は特別な場所
東京の純都心部で、「あそこは、特別な場所」と一目置かれるアドレスが2つある。ひとつが、この千代田区の番町(一番町から六番町まである)。そして、もうひとつが港区の南青山だ。
いずれも江戸時代には大名や旗本の屋敷が並んでいた歴史があり、今も環境がよい。
ここでいう「環境がよい」は、都心の雑踏から一歩離れ、落ち着いた住宅エリアが形成されていることを指す。
住環境を形成する要素には「買物の便利さ」もあるのだが、2エリアは「日々の買物が便利」とは言いがたい。特に番町は不便といってよいレベルなのだが、番町は昔から買物がとてつもなく不便だった。
昭和時代から「パチンコ店がないハイソな街だが、スーパーマーケットもない」とあきらめ気味に笑っていた場所柄だ(これは、二番町に地縁があった筆者の記憶による)。
番町に比べれば、南青山には買物施設が多く、世界的に有名なブティックが集まっている。といっても、イトーヨーカドーやイオンのような品ぞろえ豊富で、お買い得商品がみつかる、使い勝手のよいスーパーマーケットがあるわけではないので、食料品の買い出しではやはり苦労する。
日々の買物に不便があっても、純都心部でありながら、落ち着いた生活ができるという点で、番町と麹町は別格の場所となってきた。
2つのエリアには「ホーマット」や「ドムス」、「パークマンション」、「ザ・パークハウス グラン」「グランドヒルズ」といった分譲マンションの最高峰ブランドが集まっている。
これほど最高峰ブランドのマンションが集まっている場所は、日本中探しても番町と南青山くらいだろう。
番町と南青山は都心マンション立地の双璧であり、その評価は今後も変わらないだろう。
といっても、2つのエリアにつくられるマンションは同じではない。特に、近年は番町と南青山のマンション事情に相違点が目立つようになってきた。
たとえば、番町では、この10年ほど、毎年1、2物件は新築分譲マンションが販売されている。途中に2年ほど途絶えた時期があるのだが、ほぼ継続的に新規物件が出ているわけだ。
それに対して、南青山では新規分譲物件が滅多に出なくなった。分譲マンションに代わり、南青山では高級賃貸マンションが増えているのだが、番町エリアでは分譲マンションが主体だ。
さらに、新築分譲マンションの方向性にも違いが生じている。
今回、番町で新規販売された「ザ・パークハウス グラン 三番町26」では、その違いが分かりやすい。
実需向きを極める番町、それに対して南青山では……
「ザ・パークハウス グラン 三番町26」は、暮らしやすさを高める工夫が多い。
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