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上司は「新入社員の親からのクレーム」をどうすべきか? 公平と公正の違いについて解説する

横山信弘経営コラムニスト
(ChatGPT DALL-E 3 にて筆者作成)

「うちの子だけ残業が多い」

ある新入社員の親が会社に乗り込んできた。「不公平だ!」と不満を口にしている。何があったのだろうか?

今回は公平と公正の違いについて解説しよう。この違いがわからないと、正しい決断、意思決定ができない。最後には評価に関するワンポイントアドバイスもお伝えする。

それでは具体的な例を使って解説しよう。

■公平と公正の違い

公平と公正の違いについて解説する。

(公平と平等は、ほぼ同じ意味として捉えよう)

3人の子どもに

「テストで80点以上をとったら、お小遣いをアップする」

と親が言ったとしよう。このケースでは公平だ。しかし、長男には言ったが、次男と三男には言わなかったら「不公平」。

全員に同じチャンスを与えなかったからだ。

では公正とは何か?

80点以上をとったのが長男と次男で、三男はとれなかった。

ところが「みんな兄弟だから」と言って、一律お小遣いをアップしたら、公平かもしれないが公正ではない、

公平とは偏りがないこと、公正とは公平でかつ正しいこと、だ。

冒頭に紹介した新入社員は

「定時までに作業が終わらなければ、残業する」

と約束をしていた。他の同期も同じ条件であり、本人も同意していた。残業は仕方がなかったのだ。

親が「不公平だ!」とクレームをつけてきたのは、公平と公正を理解できなかったからだ。

当然、上司は

「もう二度とお子さんに残業などさせません。他の新入社員と同じように、公平に定時退社させます」

などと言ってはならない。公正な判断ではないからだ。

■機会は公平に、評価は公正に

責任と権限と義務の「三面等価の法則」で考えた場合、従業員である以上、職場で約束したことを守る責任がある。

それに、他者よりも慣れるまでに時間がかかる人もいる。もちろん上限規制に引っ掛かるような時間外労働をさせてはならないが、作業が終わるまでしっかりとやり切らせるほうが本人の成長に繋がることも多いのだ。

最後にワンポイントアドバイス。

「機会は公平に、評価は公正に」

は、仕事の評価でよく使われる言葉だ。上司は職場経験や教育など、不公平なく機会を与えよう。そのうえで公正に評価するのだ。

<参考記事>

どんなに劣等生でも社会に出たら大逆転できる非常識な「5つの教え」 新人教育や子ども教育に役立つ!

経営コラムニスト

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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