IBMが楽天を特許侵害で提訴:その特許を解説する(4)
IBMが楽天を訴えた特許解説の最終回となります。(関連過去記事1、関連過去記事2 、関連過去記事3)。これらのIBMの特許を見て思うのは、歴史があり、かつ、知財に力を入れてきた企業の特許資産には信じられないほど強力なものがあるということです(対コロプラ訴訟における任天堂の特許についても同じような感想を持ってしまいますが)。
さて、最終回である今回は、US7,543,234 です。出願日は2005年7月1日、登録日は2009年6月2日です。発明の名称は、” Stacking portlets in portal pages”(ポータルページにおけるポートレットのスタック)です。「ポートレット」という用語にちょっと時代を感じてしまいます。
狭義のポータル(EIP)とポートレットに限定された話ではなく、一般にウェブサイトに表示する要素が増えて画面が煩雑になるのを防止するための発明です。楽天のサイトが、画面の煩雑化を防ぐ発明の恩恵を受けているのだろうかかと思われるかもしれませんが(失礼)、楽天のサイトがああいう感じなのは日本国内のみの話であり、今回の訴訟の対象であるRakuten USAのサイトは、他のECサイトにも似た一般的デザインです(タイトル画像参照)。ちなみに、Rakuten USAは、大手ショッピングサイトのメタサーチエンジンとポイントプログラムを提供するビジネスモデルのようで、これも日本とはちょっと異なります。
IBMが訴状において楽天が侵害したと主張しているクレーム1の内容は以下のとおりです。
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