群衆の力と効果と危険性:ソウル群衆雪崩事故から
■大勢の人が集まる:集団と群衆
「群衆」というと、それだけで何かネガティブな感じがしますが、人が集まることは、基本的には良いことです。大人数が集まることも、良い効果があります。
人は原始の時代から、集団で生きてきました。家族で暮らし、いくつかの家族が集まって生きてきました。サルや象と一緒です。さらにサルや象以上に、私たちは助け合って生きてきました。それが人類の強みです。
人間の赤ん坊は、他の哺乳類よりもずっと弱い姿で生まれます。それなの、年子も生まれます。次々産むこともできます。それを可能にするのは、子育ても助け合うからです。チンパンジーは、こうは行きません。授乳中は妊娠しないようにできています。
現代社会では、母子家庭でも生きていきます。社会として助け合うシステムを作ったからです。それでも、人はみんなで集まりたがります。混雑は嫌ですが、ガラガラも気持ち悪いでしょう。
大勢が集まると、私たちは嬉しくなったり、力強さを感じます。プロスポーツの試合や、コンサート会場、仲間の集まり、大勢の人が集まるとワクワクします。
人が集まり、「集団」を作ります。集団には、目的があり、秩序があります。リーダーがいたり、ルールがあったりします。
「群衆」は、偶然集まった大勢の人々です。組織化されておらず、正式なリーダーはいません。ルールも曖昧です。最初は統制された集団だったのに、何かのきっかけで混乱が起き、集団が群衆になってしまうこともあります。
群衆を、「行動的群集」「偶発的群集」「慣習的群集」「表出的群集」の4類型に分けることもできます。群衆が、攻撃的暴力的になると、暴衆とか乱衆とよばれます。こうなると、暴徒化したり、パニックが起きたりするわけです。
人が集まることは必要。人が集まることは必然。人が集まれば、素晴らしいことも起きますが、危険なことも起きてしまうのです。
■群衆が多人数であるゆえの危険性
この記事は有料です。
心理学であなたをアシスト!:人間関係がもっと良くなるすてきな方法のバックナンバーをお申し込みください。
心理学であなたをアシスト!:人間関係がもっと良くなるすてきな方法のバックナンバー 2022年10月
税込550円(記事3本)
2022年10月号の有料記事一覧
※すでに購入済みの方はログインしてください。