高額化する都心マンション価格 支えているのは時代とともに変化する「コア需要」だった
都心マンションの価格上昇が止まらない。山手線内側の純粋な都心部では、3LDKタイプが1億円を超えて、1億5000万円水準まで上がっている。
そんなに高くなったら、誰も買えなくなる。買う人がいなくなれば、値下がりするのが当然と考えられがちだが、一向に下がる気配はない。
その理由として、物件数が減って希少価値が高まったから、コンパクトタイプの分譲が増えたので坪単価が上昇し、そこから算出される70平米相当価格が高くなったから、住宅ローン金利が史上最低水準なので、高額のローンを組みやすくなったから……具体的な理由がいくつも出されている。
それらは、いちいちもっともなのだが、マンションの販売現場を歩いていると、もうひとつ大きな理由がみえてくる。
それは、「コア需要」の存在だ。
その商品を積極的に求める人たちの塊、という意味のコア需要は、マンション市況に幾度も姿を変えて現れては消えた。
たとえば、平成バブルを演出したのは「にわか投資家」だった。これまでマンションを買ったこともない人たちが物件も見ずに大金を投じたことで、信じられないくらい不動産価格が上昇した。
2000年から2004年頃までの都心マンションブームを支えたのは「パワーカップル」。その後のミニバブルは「女性シングル」と「0.5次層」……0.5次層とは、まだ貯金もなく、マイホーム購入の準備ができていない若い世代を指す。
マンション価格が上昇したときには、必ずコア需要があった。
では、今、都心マンションの価格上昇を支えているコア需要の正体は何か。それは、よくいわれる「富裕層」ではないし、「中国人」でもない。
現在のコア需要と、さらに2013年頃、現在のマンション価格上昇のきっかけをつくったコア需要の正体を解説したい。
マンション価格上昇のきっかけをつくったコア需要とは
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