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ノルウェーのダンサー792人がセクハラ抗議「 #MeToo をただのハッシュタグ運動で終わらせない」

鐙麻樹北欧・国際比較文化ジャーナリスト|ノルウェー国際報道協会理事
各業界でセクハラを受けてきた人々が沈黙を破り始めた(ペイレスイメージズ/アフロ)

ノルウェーのダンサーたち790人以上が、セクハラ・性暴力が広がった業界の職場環境とカルチャーの改善を訴えた。

業界関係者の女性たち1100人は、限定公開されたFacebookページに集った。792人は実名を公開して、抗議書簡を地元の最大手紙アフテンポステンに投稿し、12日に公開された。

13日のアフテンポステン紙 ダンサーたちから業界への改善要望などを掲載 Photo: Asaki Abumi
13日のアフテンポステン紙 ダンサーたちから業界への改善要望などを掲載 Photo: Asaki Abumi

フリーランスで働く人が多く、人間関係に雇用状況を左右されやすい業界。権力がある年配の男性に、若い女性がセクハラ対象となることが特に問題視されている。

同紙によると、安定した正社員としてダンサーを雇う場所はノルウェーには2か所しかない。ダンスアート団体に加盟しているダンサーの690人は不安定な短期契約だ。

セックスの対象としてではなく、もっと安全な職場環境であってほしいと訴える女性たち。

同団体のトマッセン副代表は同紙でこう語る。「 #MeToo はこの問題を公にするうえで最高の出来事となった。ただのハッシュタグ運動で終わらせない。業界の力関係と空気を変えていく」。

書簡では、実際に起きたとされる12のエピソードが匿名で紹介されている。

Text: Asaki Abumi

北欧・国際比較文化ジャーナリスト|ノルウェー国際報道協会理事

あぶみあさき。オスロ在ノルウェー・フィンランド・デンマーク・スウェーデン・アイスランド情報発信16年目。写真家。上智大学フランス語学科卒、オスロ大学大学院メディア学修士課程修了(副専攻:ジェンダー平等学)。2022年 同大学院サマースクール「北欧のジェンダー平等」修了。多言語学習者/ポリグロット(8か国語)。ノルウェー政府の産業推進機関イノベーション・ノルウェーより活動実績表彰。北欧のAI倫理とガバナンス動向。著書『北欧の幸せな社会のつくり方: 10代からの政治と選挙』『ハイヒールを履かない女たち: 北欧・ジェンダー平等先進国の現場から』SNS、note @asakikiki

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