ノルウェーのダンサー792人がセクハラ抗議「 #MeToo をただのハッシュタグ運動で終わらせない」
ノルウェーのダンサーたち790人以上が、セクハラ・性暴力が広がった業界の職場環境とカルチャーの改善を訴えた。
業界関係者の女性たち1100人は、限定公開されたFacebookページに集った。792人は実名を公開して、抗議書簡を地元の最大手紙アフテンポステンに投稿し、12日に公開された。
フリーランスで働く人が多く、人間関係に雇用状況を左右されやすい業界。権力がある年配の男性に、若い女性がセクハラ対象となることが特に問題視されている。
同紙によると、安定した正社員としてダンサーを雇う場所はノルウェーには2か所しかない。ダンスアート団体に加盟しているダンサーの690人は不安定な短期契約だ。
セックスの対象としてではなく、もっと安全な職場環境であってほしいと訴える女性たち。
同団体のトマッセン副代表は同紙でこう語る。「 #MeToo はこの問題を公にするうえで最高の出来事となった。ただのハッシュタグ運動で終わらせない。業界の力関係と空気を変えていく」。
書簡では、実際に起きたとされる12のエピソードが匿名で紹介されている。
- 私は17歳。学校にゲスト講師として招かれた男性振付師は40歳。外見を褒められた時は、最初は仕事の一環として言われたのか、当時は理解できませんでした。その後ナンパが始まり、舞台の裏で突然キスをされた時は、私は泣いて震えていました。家についてこられ、夜を共にした後、私はまた泣いて震えていました。
- 学校の卒業式を祝った夜。トイレで突然、男性の教師がキスをしてきました。「最後のチャンスだから」と言っていました。私は恐怖で言葉が出ず、誰にもそのことを打ち明けることができませんでした。
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Text: Asaki Abumi