福岡でなければ食べられない味がある!? 福岡の『博多一風堂』を食べ比べてみた
わざわざ福岡で一風堂を食べる意味とは?
1985年、福岡大名の路地裏に小さなラーメン店が出来た。店の名前は『博多一風堂』(本店:福岡県福岡市中央区大名1-13-14)。現在では国内138店舗、海外287店舗を展開。世界のラーメン業界のトップランナーになっている。
今や福岡に行かずともどこででも食べられる一風堂のラーメン。自分の家の近くにもある一風堂を、福岡に観光や仕事で来た時にわざわざ食べに行く人は少ないだろう。しかしながら、創業の地にある福岡の一風堂はどこも個性的で一味違うのだ。
現在福岡県内の一風堂は14店舗。そのうち福岡市内で営業している6店舗を食べ比べてみた。チェーン店のようでチェーン店ではない、店ごとの個性が際立つ結果となっているので是非食べ歩きの参考にして頂きたい。
世界の一風堂の総本山『大名本店』(1985年創業)
世界に広がる一風堂の総本山ともいうべき店が『大名本店』(福岡県福岡市中央区大名1-13-14)。一風堂の代名詞でもある「白丸元味」「赤丸新味」はもちろん、地元大名のジョーキュウ醤油を使った「博多しょうゆらぁめん」も提供。豚骨ばかりだった福岡の地で、創業時から醤油ラーメンを出していたのも一風堂だ。
創業時の味を今も楽しめる『塩原本舗』(1994年開業)
一風堂としては3店舗目にして、麺やスープの製造工場を併設した初めての店舗が、1994年に誕生した『塩原本舗』(福岡県福岡市南区塩原3-21-4)。現在もスープは店内で一から炊き上げ、具材などの仕込みもすべて厨房で行う。この店と『浅草橋本舗』でしか食べられないのが「原点」と「赤丸」。「原点」は創業当初の味をブラッシュアップ。「赤丸」は1996年に生まれた「赤丸新味」を再現したもの。冬限定の「焦がし味噌」もファンが多い逸品だ。
工場直結のフレッシュスープ『山王店』(1999年開業)
1999年開業の『山王店』(福岡県福岡市博多区山王2-2-7)は、製造工場を併設した大型店舗。駐車場も完備しているので車でのアクセスがしやすい店だ。工場で出来立てのフレッシュな豚骨スープに、しなやかな自家製細麺を楽しめるのはこの店。創業時に出していた醤油ラーメンを復刻した「博多中華そば」もメニューに揃っている。
アクセス抜群の駅直結店舗『博多駅店』(2011年開業)
JR博多駅直結、JR博多シティの飲食フロア『シティダイニングくうてん』内にあるのが『博多駅店』。一風堂としては福岡市内で初のインショップ業態になる。駅直結というアクセスの良さで、地元客はもちろん観光客やインバウンド客も多い。定番の「白丸元味」「赤丸新味」はもちろん、麻辣の味わいが人気の「からか麺」も用意されている。
3年の時を経て待望の復活『姪浜店』(2022年開業)
1999年に開業し、20年にわたり愛されつつも2019年に閉店。その3年後に移転リニューアルして復活を果たしたのが『姪浜店』(福岡県福岡市西区福重5-4-16)。こちらは長年一風堂で経験を積んで独立した店主が営む、全国に20店舗ほどしかない「暖簾分け店」の一つ。煮干しと鶏のスープに糸島産の醤油を合わせた「煮干醤油」を食べられるのは全国でもここだけ。
大名本店の屋号を掲げる最新店『福岡空港店(大名本店別館)』(2024年開業)
福岡空港内『ラーメン滑走路』内に、2024年12月オープンしたばかりの最新店が『福岡空港店(大名本店別館)』(福岡県福岡市博多区大字下臼井767-1 福岡空港第2ターミナル3F ラーメン滑走路内)。創業当初の製法を再現した「本店白丸」「本店赤丸」の他に、福岡県糸島市の食材をふんだんに使った新作「糸島ラーメン」も楽しむことも出来る。
個性豊かな福岡の一風堂を食べ比べると、一風堂が単なるチェーン店ではない「個店の集合」だということが分かるはず。実は福岡以外の一風堂にも店舗限定のメニューを出している店も少なくないので、ぜひ近くの一風堂へ足を運んでその土地ならではの味を探してみるのもおすすめだ。
※写真は筆者によるものです。
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