政府と自民党の対応を憲法の立場から糾弾したBPO意見書
フーテン老人世直し録(183)
霜月某日
放送倫理・番組向上機構(BPO)は6日、NHKの報道番組「クローズアップ現代」のやらせ疑惑について、「重大な放送倫理違反があった」とする意見書を公表したが、その中でNHK以上に批判の矛先を向けた相手は総務省と自民党である。総務省と自民党は憲法が保障する「表現の自由」を無視する行為を行ったとBPOは厳しく非難した。
1970年代からテレビ・ドキュメンタリーを作ってきたフーテンから見て、最近のテレビは「やらせ天国」のように見える。昔はテレビに映されることを拒否する人間が多く、撮影の許可を取るのは一苦労だった。撮影する側とされる側の「垣根」をなくすには時間が必要で、その時間によって作られる人間関係の延長にドキュメンタリーの制作はあった。
しかし最近は「よくこんなところまで映させる」と思う映像がテレビにあふれている。テレビに映りたい人間が多く、撮影する側とされる側の「垣根」がないように見える。そうなるとフーテンの目には両者が馴れ合い、ある種の「やらせ」を演じているようにしか見えない。
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