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小野寺元防衛相、「東アジアで紛争が起きる可能性がある」との厳しい見方を示す

高橋浩祐米外交・安全保障専門オンライン誌「ディプロマット」東京特派員
フォーリン・プレスセンターで話す小野寺五典・元防衛相(動画をスクリーンショット)

元防衛相で自民党の安全保障調査会長を務める小野寺五典・衆議院議員は5月8日、都内のフォーリン・プレスセンターで 「わが国の防衛と安全保障戦略」と題して講演し、外国メディア記者らとの質疑応答に臨んだ。小野寺氏は「東アジアで紛争が起きる可能性がある」と指摘し、そうした紛争を起こさないようにするために抑止力の向上が必要だと述べた。

●「東アジアは新たな冷戦構造に向かっている」

英国紙タイムズの東京特派員からの「東アジアは新たな冷戦構造に向かっているのか」との質問に対し、小野寺氏は「単純な答えを言えば、イエスです」と明確に回答した。

その理由について、小野寺氏はまず「日本は東アジアの中で、特に周辺国としては北朝鮮、そして台湾海峡をめぐって中国との関係を今まで意識してきた。ただ、今回ロシアがウクライナを侵略したことによって日本もロシアに制裁を科すことになった」と説明した。

続いて、個人的見方と前置きをしたうえで、「どこかの時点でウクライナでの侵略戦争は停戦を迎えると思う。その後、ロシアの恨みはどこに向かうか。それはウクライナを支援した国に向かうと思う。このことを警戒してか、EU(欧州連合)のいくつかの国は今回急にNATO(北大西洋条約機構)に加盟することになった。そして、日本はロシアとの友好関係を維持してきたが、今回の制裁により、ロシアとの関係がかなり厳しくなる」と指摘した。

さらに「既に日本近海でロシアの戦略爆撃機の演習が頻発している。おそらく極東のロシア軍も今後増強される。そして、ロシアと北朝鮮が強い関係で結ばれつつある。東アジアの緊張感はさらに高まる。それは西側と東側という冷戦構造に近くなる心配をしている」と述べた。

防衛大臣を3度も務めた小野寺氏が改めて日本を取り巻く安全保障環境の今後について厳しい見方が示しただけに、外国メディアからは関連の質問も相次いだ。以下がその動画となる。ぜひご覧いただきたい。

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米外交・安全保障専門オンライン誌「ディプロマット」東京特派員

英軍事週刊誌「ジェーンズ・ディフェンス・ウィークリー」前東京特派員。コリアタウンがある川崎市川崎区桜本の出身。令和元年度内閣府主催「世界青年の船」日本ナショナルリーダー。米ボルチモア市民栄誉賞受賞。ハフポスト日本版元編集長。元日経CNBCコメンテーター。1993年慶応大学経済学部卒、2004年米コロンビア大学大学院ジャーナリズムスクールとSIPA(国際公共政策大学院)を修了。朝日新聞やアジアタイムズ、ブルームバーグで記者を務める。NK NewsやNikkei Asia、Naval News、東洋経済、週刊文春、論座、英紙ガーディアン、シンガポール紙ストレーツ・タイムズ等に記事掲載。

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