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ヤフーKKがソフトバンクKK傘下に ソフトバンクG、PayPay、SVFの資本構成とUBERのIPO

神田敏晶ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント
2019年5月8日発表の資本構成 出典:KNN

KNNポール神田です。

ソフトバンクKKの子会社化するヤフーKK 出典:CNET
ソフトバンクKKの子会社化するヤフーKK 出典:CNET

□ヤフーは5月8日、ソフトバンクの連結子会社になることを発表した。ソフトバンク(SBKK)に対する第三者割当増資として新株式15億1147万8050株を発行し、約4564億6637万円の引受けを実施する。

□ソフトバンクグループ(SBG)傘下のソフトバンクグループジャパン(SBGJ)が持つヤフー全株式(18億3437万7600株、所有割合は36.08%)のTOB(株主公開買い付け)を実施。

□SBKKは、これまで保有していたヤフー株6億1388万8900株(所有割合:12.08%)とあわせて、全発行株式の44.64%を保有することで、ヤフーを連結子会社化する。なお、SBGJが保有するヤフー株式の所有割合は36.08%から0%となり、親会社がSBGJからSBKKに移動する

出典:ソフトバンク、ヤフーを連結子会社化--約4564億円で株式取得

■ヤフー株式会社(時価総額1.73兆円)は、4564億円(45%)でソフトバンク株式会社の連結子会社に

つまり、ヤフー株式会社(ヤフーKK)は、新株を15億株発行し、ソフトバンクKKに買ってもらい、ソフトバンクグループ(SBG)傘下が持つ18億株の既存株36%をTOBで買い付ける。そして、ヤフーKKの株式はソフトバンクKKが44%持つこととなった。

つい先日(2019年4月25日)のヤフーKKの持ち株会社体制の『Zホールディングス』構想発表(2019年10月1日)から実質2週間。さぞ、忙しかったGW10連休だったのだろう。

ヤフー2019年度新組織構想 Zホールディングス 出典:ITmedia
ヤフー2019年度新組織構想 Zホールディングス 出典:ITmedia

□ヤフーは(2019年)4月25日、10月1日付で持ち株会社体制に移行し、社名を「Zホールディングス」に変更すると発表した。持ち株会社の下に100%子会社として、ヤフー事業を担う「ヤフー株式会社」と金融事業を統括する中間持ち株会社を置く。

出典:10月1日から新体制: ヤフーが「Zホールディングス」に社名変更 10月に持ち株会社体制に

Zホールディングス傘下に新会社としての、新生『ヤフー株式会社』と『金融中間持ち株会社』の新会社ができる予定である。『PayPay』はその新生『ヤフー株式会社』の傘下となる計画だった。その計画がそっくりそのまま、ヤフーKKの株式45%を占めるソフトバンクKKの元へスライドするということとなる。

■『PayPay(920億円)』の主要株主が『ソフトバンクG(460億円 50%)』に

そして、2019年5月8日同日、ソフトバンクグループ(ソフトバンクG)は、ヤフーKKの株式を全株をヤフーへ売却すると同時に、『PayPay』への460億円出資を発表した。出資比率は50%となり、ソフトバンクグループがPayPayの筆頭株主となった。

□ソフトバンク株式会社とヤフー株式会社の共同出資会社であるPayPay株式会社(以下

「PayPay」)は、第三者割当増資を行い、2019年5月以降に、ソフトバンクグループ株式会社から460億円の出資を受け入れることを決定しましたのでお知らせします。このたびの増資により、PayPayの資本金は920億円(資本準備金を含む)となります。

出典:第三者割当増資の実施について

■孫正義>ソフトバンクG>ソフトバンクKK>ヤフーKK>PayPayの資本含有率

ソフトバンク系列の資本比率 出典:KNN
ソフトバンク系列の資本比率 出典:KNN

ここで整理してみると 持ち株会社としてのソフトバンクグループ(ソフトバンクG)の筆頭株主は孫正義21%である。

そして、ソフトバンクKKの63%はソフトバンクグループ

ヤフーKKの45%はソフトバンクKK

PayPayの筆頭はソフトバンクGで50% ヤフーKK25% ソフトバンクKK25%ということとなる。

ソフトバンクGの株主構成は以下のとおりだ。上位10名の株主で46.9%の所有株主だ。

ソフトバンクG 株主構成 出典:ソフトバンクG
ソフトバンクG 株主構成 出典:ソフトバンクG

https://group.softbank/corp/irinfo/stock/ownership/

■米UBERのIPOでSVFは30億ドルの成果

□ソフトバンクグループ傘下のハイテク投資ファンド「ビジョン・ファンド」は、(2019年5月10日)今週予定されている米ライドシェア最大手ウーバー・テクノロジーズの大型新規株式公開(IPO)で大きな果実を手に入れる見通しだ。ウーバー投資の含み益は、約1年4カ月でおよそ30億ドル(約3300億円)に達する。

出典:ウーバー上場で大収穫、ソフトバンク出資の舞台裏

また、ソフトバンクGの100%子会社の『ソフトバンクビジョンファンド(SVF)』本体そのものも上場が噂されている。

□ソフトバンクグループ(SBG)は10兆円規模のハイテク投資ファンド「ソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)」の新規株式公開(IPO)と、少なくともSVFと同じ規模を持つ別のファンドの立ち上げを検討している。スタートアップ企業への投資を拡大するため多額の資金調達を目指す考えだ。複数の関係者が明らかにした。

出典:ソフトバンク、ビジョン・ファンドの上場検討=関係者

SVFの出資関連関係図 出典:SVF
SVFの出資関連関係図 出典:SVF

https://group.softbank/corp/set/data/irinfo/presentations/analyst/pdf/2017/investor_20180209_02.pdf

いずれにしても、『UBER』のIPO 、『WeWork』のIPOなどによるソフトバンクビジョンファンド(SVF)投資先の儲け時と、国内系列の再編など、『孫正義帝国』の事業ドリブンの展開がますます面白くなってきている。

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ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント

1961年神戸市生まれ。ワインのマーケティング業を経て、コンピュータ雑誌の出版とDTP普及に携わる。1995年よりビデオストリーミングによる個人放送「KandaNewsNetwork」を運営開始。世界全体を取材対象に駆け回る。ITに関わるSNS、経済、ファイナンスなども取材対象。早稲田大学大学院、関西大学総合情報学部、サイバー大学で非常勤講師を歴任。著書に『Web2.0でビジネスが変わる』『YouTube革命』『Twiter革命』『Web3.0型社会』等。2020年よりクアラルンプールから沖縄県やんばるへ移住。メディア出演、コンサル、取材、執筆、書評の依頼 などは0980-59-5058まで

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