トヨタ、デンソー、ソフトバンク、UBERが奏でる自動運転のショーファードリブンカルテット
KNNポール神田です。
■自動運転の『Uber-ATG』という新会社の存在
そう、UBER本体への追加出資というよりも、自動運転部門 の『Advanced Technologies Group(Uber-ATG)』新会社へのスピンアウト投資と見たほうがよいだろう。
公開企業となり、より資金調達できるUBER社の成長と同時に、ソフトバンクグループ及び、SVF(ソフトバンク・ビジョン・ファンド)は、ライドシェア全体の筆頭株主である影響力を持つ『系列』に、『自動運転』という軸でトヨタとデンソーが新たなに動き出すのだ。
ソフトバンクグループは、SVF経由で米UBER株の15%を77億ドルで取得済み(2018年1月)。トヨタは、米UBERに5億ドル出資済み(2018年8月)さらに、今度はトヨタ、デンソーから6.67億ドル SBVが3.33億ドル 合計10億ドル 出資だ。 ソフトバンクは、自動車メーカーとしてのGM(ゼネラルモーターズ)の自動運転『GMクルーズ』にも22億5000万ドル(2200億円)の出資を行い、約20%の株を取得している(2018年5月)。
これはUBERの『自動運転』部門のスピンアウトを視野にいれてのソフトバンクとトヨタの提携事業とみることができる。
■『Uber-ATG』という名の『ショーファードリブン』機能
『自動運転』というのは、自動車が勝手に動き回るイメージだが、実は、専属の運転手がクルマに搭載されることをイメージするとわかりやすい。『ショーファードリブン(運転手付き自動車)』の価値はクルマを運転することよりも、後部座席の居住性や移動快適性が求められる。もはやクルマを運転するという車の機能よりも、ショーファードリブンの移動する空間としてとらえたほうが本質に近いだろう。
ソフトバンクグループとトヨタグループは、それを『モネテクノロジー株式会社』という事業会社を資本金20億円で起こしている。また、モネテクノロジーは、日野自動車やホンダとも資本・業務提携(2019年3月)もおこない、新たな動きをしている。出資比率はこう変わった。ライバル会社の参入も含めて、近い将来ここに『Uber-ATG』という新会社が加わることも十分に想定できる。
ソフトバンクはすでに、UBER DIDI GRAB OLA とシェアライドのプラットフォームを持ち、トヨタはそこに自動運転のモビリティを提供できるというシナリオのプロローグが始まった。
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