ジョアン・フェリックスの移籍に、思うところ。
まるで、別人のようだ。
ジョアン・フェリックスは、この夏、アトレティコ・マドリーからバルセロナにレンタル移籍した。加入後、公式戦4試合で3得点2アシストを記録。即座にフィットした。
だがこれは「魔法」ではない。「フットボール」だ。
明晰に分析する必要がある。フェリックスの、何が変わったのか。それは「自信」である。―タレントを高みに導くものーこれが自信だ。その自信を得て、フェリックスのプレーが目に見えて変化したように映るのだ。
■アトレティコ移籍と期待値
フェリックスは2019年夏にベンフィカからアトレティコに移籍した。
元々、テクニックの高い選手だった。ドリブル、パスセンス、シュートのうまさ、若い頃から非凡な才を持ち合わせていた。ディエゴ・シメオネ監督の下、その才能に、「闘う意思」と「献身性」が加わるーーそのような期待があった。
だが蓋を開けてみれば、フェリックスが強靭な意思を獲得することはなかった。逆に、テクニックやスキルが落ちた。厳密に言えばアトレティコのチームスタイルからフェリックスがテクニクを発揮する場面が減り、落ちたように見えてしまうほどだった。これでは「Win・Win」ではなく「Lose・Lose」である。
シメオネ・アトレティコでプレーするのは、巷で言われているほど、悪いことではない。
例えば、ロドリ・エルナンデスはアトレティコでシメオネ監督の薫陶を受けたのち、マンチェスター・シティに移籍している。現在、ロドリが「世界一のアンカー」と称される背景には、アトレティコでプレーした経験が間違いなくある。
■移籍の是非と代理人
フェリックスのアトレティコ移籍が「是」か「非」なのかと問われたら、「是」だった。理由は前述の通りだが、問題は移籍の仕方にある。
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