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個別宅配ボックス+個別防災備蓄倉庫、おそうじ浴槽……品川区の防災マンションが高スペック

櫻井幸雄住宅評論家
「ザ・パークハウス 品川荏原中延」の完成予想図。写真は三菱地所レジデンス提供

 全戸に個別宅配ボックスが付くのは今や新築分譲マンションでは珍しいことではなくなった。全戸の防災備蓄倉庫が付くのも同様。決して多くはないが、珍しいというほどでもない。

 しかし、個別宅配ボックスと個別防災備蓄倉庫の2つがすべての住戸に付くとなったら、話は別だ。私が知る限り、日本で初めての試みではないか。

 さらに、全自動で浴槽の掃除が行える「おそうじ浴槽」も全戸に付くし、ZEH-M Orientedでもある。キッチンにディスポーザー、浴室にはミストサウナ、トイレに手洗いカウンターが設置され、内廊下方式でオートロックはハンズフリー方式といった特徴は、もはや細かな工夫に分類されてしまう。

 それほど盛りだくさんの特徴も、都心一等地の超高額マンションであれば、なるほどね、と納得できてしまう。ところが、このマンションは立地も価格帯も「ずば抜けて」いるわけではない。

 建設地は都内品川区中延……東急池上線の荏原中延駅を最寄りとし、同駅から徒歩2分となる。「駅徒歩2分」は注目すべき特性といえるが、周辺は庶民的な街のムードが漂う。一戸建てが目立つ落ち着いた住宅ゾーンである。

 建物は地上14階地下1階となり、総戸数は63戸。約34平米から67平米の1LDK〜3LDKの構成で、第1期として発売された25戸のうち1LDKは6000万円台と7000万円台が中心だった。

 そんなに大きいマンションではないし、そんなに高額でもない。東京23区内においては、比較的地味なマンションに分類されるだろう。

 にもかかわらず、内容は極めて充実。そんなものまで付いているの?と驚くマンションになっている。

 そのマンションは、「ザ・パークハウス 品川荏原中延」。首都圏不燃建築公社と三菱地所レジデンスが事業主となり、12月6日から第1期販売が始まった新築マンションである。

 「防災街区整備事業」として開発され、該当地区の住人・不動産所有者には倍率優遇が付く特殊なマンションの内容をレポートしたい。

建設地は、木造住宅が密集する場所……そこにポイントが

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住宅評論家

年間200物件以上の物件取材を行い、全国の住宅事情に精通。正確な市況分析、わかりやすい解説で定評のある、住宅評論の第一人者。毎日新聞に連載コラムを持ち、テレビ出演も多い。著書多数。

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