結果を出す人だけが知っている「相談スキル」とは? 悩んだときに絶対役立つ6つのポイント
■ 多くの人が軽んじている重要スキル
企業の目標を「絶対達成」させるコンサルタントとして働くようになり、はや16年が経つ。経営者と一緒に戦略を考えるのはもちろんのこと、現場に入ってみずから社員を指導することもしばしばだ。
そんな経験をする中で、「結果を出す人」と、「結果を出せない人」、それぞれの違いや特徴も見えるようになってきた。
それらの特徴とは、正直なところ、いろいろとある。が、意外と知られていないが、とても有効性の高いものを今回のテーマとして取り上げたい。
それが「相談スキル」である。
このスキルがあれば、これまでと同等の労力をかけたとしても、結果はまるで違ってくるだろう。
たかが相談、されど相談。
結果を出すためには、「わからないことを、いかに短時間で、正確にわかるようにする」かが問われる。
この相談の「方針」、そして「戦略」の立て方を、今回は細かく紹介する。ひとたび相談スキルの有効性を知れば、多くの人は驚くほどスピーディに、大きな結果と報酬を手に入れることになるはずだ。
■ 結果が出ない人の相談パターン
私がこの相談スキルを紹介したいと思ったのは、あるエピソードがきっかけだ。「いったいどうすれば営業の生産性はアップするのだろう」と、ある営業課長が悩んだ末にとった行動が、あまりに非効率的だったからだ。
私はその営業課長を呼び出した。
「管理部の課長から聞きました。営業の生産性を高めたいらしいですね」
「そうです。社長から強く言われて、ずっと考えていたんですが、なかなかいいアイデアが出てこなくて」
聞くところによると、この営業課長がまず相談したのが大学時代の友人だ。その友人は、いま他の企業で課長職についているという。
参考になる話が聞けなかったそうで、次に相談したのが、直属の上司、営業部長だ。社長から喫緊の課題だと言わわれていると訴えたが、「それを考えるのがお前の仕事だろう」と突っぱねられ、社内で仲のいい管理部の課長に相談した。
「その管理部の課長から、私に相談があったんです」
「す、すみません」
「社長から話があったあと、どうしてすぐ私に相談しなかったんですか」
営業課長は、口ごもって何も言えなかった。実際に3週間前、社長みずから、
「横山さんのところに、すぐ相談があると思いますが」
と言われていたのだ。ところが、待てど暮らせど何もない。前日も社長に確認され、「いっこうに相談に来ませんね」と言うと、社長は「何やってんだ!」と怒りをあらわにしていた。
営業の生産性アップだけでなく、どんなことでもわからないことがあると、誰かに相談したくなるものだ。しかし、思いつくまま、場当たり的に相談していたら、いつまでたっても「わからないことがわかる状態」にはならない。
結果を出せない人は、この「わからないことがわかる状態」にすることが、どうもわからないようだ。
■ 相談の「方針」と「戦略」
相談も、経営と同じだ。方針もあれば戦略もある。
方針とは、それを実行するための方向性のことを指す。私がおススメする「相談方針」は以下の2つだ。
1)考え、調べてから、相談する
2)いちばんよくわかっている人に相談する
日ごろから何となく相談している人にとっては驚くかもしれないが、「わからないことを、いかに短時間で、正確にわかるようにする」ためには、日ごろからこれぐらいの心掛けは必要だ。
まず相談する前に、考えることが必要だ。
なぜなら、誰かに相談しなくても、よく考えたら意外とわかることも多いからだ。そのことを知っておこう。
誰かに何かを相談したとき、
「●●●をすればいいと思うよ」
とアドバイスされ、
「よく考えたらそうですね」
と、つい言ってしまうことはないだろうか。「よく考えたらそうだ」ということなら、相談する必要がなかったということだ。つまり、相談にいたるまでの時間や労力は、すべてムダだったということになる。
これをムダと思えない人は、生産性とか効率を語る資格はないだろう。
相談スキルを上げるには、まず「よく考えること」「深く考えるクセ」を身につけることが先だ。
■ ビッグワードとスモールワード
自分で、よくよく考えてもわからない場合は、自分の手を動かして調べることだ。
「誰かに相談したほうが速い」と思う人もいるだろうが、では何を相談するのか。
「営業の生産性向上」「残業削減」「目標達成」といったビッグワードで相談する人がいる。だが、こういう人は、相談スキルが低いと言わざるを得ない。
「営業の生産性って、どうすればアップするんですか?」
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