「このままでは不幸になる」カルト霊感商法の手法は強力:だから悪用ではなく「善用」すれば人は動く
■人の動かし方:デマで動く私、カルトの手法
「この先危険、落石あり、クマ出現」。こんな看板があれば、もちろん目をひきます。熊本地震のときに「動物園からライオンが逃げた」のデマが広がったのと同じです。
「この先すてきな散歩道」「かわいいライオンの赤ちゃんが生まれました」よりも、ずっと強力なメッセージになるわけです。
カルトの霊感商法も、この手を使います。「この壺を買うと幸せになります」よりも、「このままでは家族みんなに不幸になる。しかし、この壺を買えば救われる」の方が、高価な壺が売れるわけです。
もちろん、霊感商法は違法です。人を脅すようなやり方は、道義的に問題です。しかしそれでも、強力な方法であることは事実です。
実はこの方法、「人は得になる話よりも損を避けられる話で動く」というこの人間心理は、悪徳商法だけでなく、まともなビジネスでも使われているのです。
たとえば
宝くじの宣伝コピーで「あなたはきっと当選者になれる」では客は動かなくても、「あなたはすでに当選者かもしれない」と表現を変えることで、売上は大幅にアップしました。当選者になっているかもしれないのに、買わずに大金をもらい損ねるなんて、もったいない!と、人は感じたからです。
この心理を上手に使えば、自分の行動も人の行動も変えられます。
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