【徹底解明!】これからのリーダーに必要なルールを守る技術・守らせる技術3つのポイント
■ルールとは何か? 誰も知らないルールの定義
「横山先生、どうやったらルールを徹底させることができるんでしょうか。うちの組織には、やるべきことをやらないメンバーが多すぎます」
企業研修に入ると、このように嘆く部長さんとか課長さんから、よくこのような質問を受ける。
このような「ルールの徹底」という言葉は、言葉の意味合いとしては「ストロング」な感じなのだが、残念なことに、一般的には「白々しいアテンション」に成り下がっているのが現状だ。
つまり「意識改革」とかと同等レベルの軽い表現になっている、ということである。
(※「改革」という言葉を使うなら、レビンの変革プロセスに習い、「解凍」「混乱」「再凍結」というぐらいのストロングなプロセスを経たほうがいい。つまり意識改革なら、「意識の解凍」「意識の混乱」「意識の再凍結」というプロセスだ。つまり「意識改革」というのは、実際には恐ろしいことなのである)
組織運営するうえで、ルールという言葉を知らない人はいない。
しかしなぜか正しいルールの意味合いや、効能を知っている人が多くないと私は思っている。
ルールとは何か?
あえて解説しよう。
ルールとは守るべき規則のことだ。よく言われることだが、罰則のないマナーと違い、ルールには罰則がある。
「交通マナー」と「交通ルール」で考えれば、わかりやすいだろう。
したがって、罰則が決まっていないのであればそれはルールではなくマナーである、ということだ。
冒頭に書いたとおり、
「当社には、ルールを徹底できない社員が多すぎる!」
と嘆く社長や中間管理職がとても多い。しかし、もし罰則が決まっていないのであれば、それを誰もルールとみなしていない、ということだ。
もし罰則があっても形骸化されている、というのであれば、それを徹底させるように管理者を教育することからはじめよう。
……ただ、そうは言っても現実的ではない。
「ルールは規則」と書いたが、「就業規則」のような厳格なものもあれば、
「新入社員は30分前に出社し、自分の課のデスクを拭き掃除しておくこと」
というような、その組織でしか通用しない暗黙のルールもあれば、
「残業は月45時間、年360時間以内」
という働き方改革関連法で定められているにもかかわらず、企業によっては守られていないルールもある。
また、目標を絶対達成させるためには、ルールとマナーの違いも重要だが、「方針」との違いも明確にしておくことが大事だ。
組織にはルールがある、マナーがある、そして「方針」がある。これらをしっかり区別することで、組織運営はとてもラクになる。
なぜなら、曖昧性を排除することで、何をして、何をしてはならないのかが明確になるからだ。組織メンバーに「行くべき道」がはっきり示され、横道にそれなくなるし、そうすることで組織に正しい秩序がもたらされる。
組織リーダーも相当ラクになるだろう。価値観がバラバラなメンバーたちを、「コミュニケーション」という難易度の高い技術を駆使して、説得する必要がゼロに近付くのだから。
いいことばかりだ。
ただ、ルールをつくるのは簡単だ。しかし、これまでルールを徹底できていなかった組織に「守らせる」のは容易ではない。
だから、ここで、ぜひ知ってほしいことがある。
それは、ルールを守るのも「技術」が必要だ、ということだ。
「速く走れ」
と言っても、日ごろから走る技術を鍛えていなければ、速く走ることはできない。それと同じように、
「ルールを守れ」
と言っただけでは、できない人も多いのだ。
今回は「ルールを守る技術」「ルールを守らせる技術」について解説する。簡単なようで、実は簡単ではない。
しかし組織を円滑に運営するうえで、これほど重要で、軽視しがちな要素は他にないだろう。
とくに組織リーダーたちは、ぜひ最後まで読んで実践してもらいたい。ルールを守る技術を、3つのポイントに分けて解説する。
■ルールはマネジャーが作り、リーダーが守らせる
ルールは仕事を進めるうえで、あらゆる「論拠」となるとても便利な道具だ。
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