フェイスブックなど、北米と東南アジア結ぶ海底ケーブル敷設へ、アップルはワクチン接種の従業員に有給休暇
筆者が注目した海外発最新テクノロジーニュース2本ダイジェストで
[1]フェイスブックとグーグル、北米と東南アジア結ぶ海底ケーブル敷設へ
米フェイスブックは3月29日、米グーグルなどと共同で米西海岸とインドネシア、シンガポールを結ぶ2本の海底ケーブルを敷設すると発表した。
太平洋を横断する海底ケーブルの通信容量が70%拡大するという。投資規模は明らかにしていないが通信ネットワーク投資担当副社長のケビン・サルバドリー氏はロイターに対し、「東南アジアへの非常に重要な投資」と述べた。
「エコー」と呼ぶ海底ケーブルは、グーグルやインドネシア通信大手のXLアシアタと提携し、2023年までに工事を完了する見通し。もう1つの「ビフレスト」にはテルコム・インドネシアの子会社やシンガポールの複合企業ケッペル・コーポレーションが参画し、24年までの完成を目指す。
ロイターによると、2億7000万人の人口を抱えるインドネシアでは73%がネット接続しているものの、大容量通信に接続している人は10%以下だという。
米グーグルやフェイスブックなどは16年に太平洋横断ケーブル「パシフィック・ライト・ケーブル・ネットワーク(PLCN)」を共同で敷設する計画を発表。カリフォルニア州と香港を直接つなぐ計画だった。
だが米政府は「米国と世界をつなぐ海底ケーブルが中国の諜報活動に妨害されてはならない」などとし、中国政府の影響力が及ぶ香港との接続に反対する方針を表明。
フェイスブックは今月、「米政府が懸念している」とし、カリフォルニアと香港間の接続計画を断念すると明らかにした。
[2]アップル、ワクチン接種の従業員に有給休暇を付与
米アップルが、新型コロナウイルスのワクチン接種を受ける従業員に有給休暇を付与すると、米ブルームバーグが3月29日に報じた。接種後に副反応の症状が出た場合は有給病気休暇を取得できるという。
アップルが本社を置く米カリフォルニア州の州政府は、4月15日から16歳以上の全住民がワクチンを接種できるようになると明らかにした。またバイデン米大統領は3月29日、米国成人の9割が4月19日までに接種の資格を得ると発表した。
アップルは米アマゾン・ドット・コムのように社内施設でのワクチン接種を実施しないが、オフィス勤務を再開した従業員を対象に社内でPCR検査を実施。小売店従業員や在宅勤務者には郵送方式で検査を実施している。
同社では昨年の新型コロナ感染拡大以降、症状が出た従業員に有給休暇を付与しているという。多くの従業員は在宅勤務中だが、小売店スタッフは徐々に職場勤務を再開している。同社は3月1日までに米国内にある直営店全270店の営業を再開した。