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人に教えたくない「断るテクニック」

横山信弘経営コラムニスト
(写真:アフロ)

■納得いかない依頼を断れない……

「オフィスに郵便物が届いているみたいだから、とりに行ってくれない?」

突然電話がかかってきて、オフィスへ出かけることになった。「絶対在宅勤務」と会社から言われていた。なのに、なぜかこの上司は、そんなルールなどまるで無視して、こんな依頼をしてくる。そして私は「郵便物をとりに行くという用事」のためだけに、世界中が呼びかける『ステイホーム』を破ることになった。

誰もいない電車の中で、胸が張り裂けそうになる。

なぜ、断れなかったのか……。

「総務部長から『絶対に感染者を出すな』と言われてるじゃないですか。郵便物をとりに行くためだけにルールを破るのはイヤです」

どうして、こうハッキリ言えなかったのか。

「オフィスに郵便物が届いているみたいだから、とりに行ってくれない?」

そう言われ、すぐに、

「あ、はい。わかりました」

と即答してしまった自分自身が呪わしい。

ちゃんと「嫌なことはイヤ」とはっきり言える自分になりたい……。

■戦略的に「心読ませないテクニック」

新型コロナウイルスの感染拡大で、全国に緊急事態宣言が発令されたのが4月16日。それまでも、相当なガマンを強いられてきた国民は、この宣言によってさらなる忍耐を義務付けられたことになった。

こんなときに、やる必要がなく、やりたくもないことを押し付けられると、感情のコントロールがしづらくなる。

ただでさえ、人から何か依頼されても断れず、ふだんから「どうして引き受けてしまったのか」「軽く見られている気がする」と受け止めている人なら、いっそうストレスをためることになるだろう。

前回の記事人に教えたくない「説得テクニック」が、恐ろしいほど反響が高かったため、その第二弾として「断るテクニック」を今回はテーマとする。

ちなみに前回同様、葛藤がある。

なぜなら、本当に「教えたくない」テクニックだからだ。

こういうイレギュラーなテクニックを知ると思考がねじ曲がって、もともとあった「素直さ」が毀損していくし、遠回りしても努力をつづけたいと思う「純粋さ」をなくしてしまうかもしれないからだ。

だが、相手と関係を構築するためには仕方がないとか、それなりの理由があるのならともかく、単に「断れない」からという理由で、何でもかんでも引き受けるような、そんな馬鹿正直すぎる人は、このようなテクニックも知っておいたほうがいい。私はそう思っている。

そこで今回は、戦略的に「断るテクニック」を身につける方法を解説する。

当然だが、断るときの「言語的なフレーズ」とか「応酬話法」みたいなものがそのテクニック、というわけではない。

そんな、ちょっとしたコツのようなもので「断り方」を覚えられるのであれば、誰も苦労しない。「説得テクニック」とは異なり、もっと中長期的な戦略で仕込みが必要なのだ。

面倒なこと、煩わしいことを、断れるようになりたい。100%はムリでも、50%ぐらいは断れるようになりたいと本気で考える人に、このテクニックをお伝えしたい。

キーワードは「相手に心を読ませないこと」だ。

■問題は「思考プログラム」

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経営コラムニスト

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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