人に教えたくない「説得テクニック」
■強引な説得テクニック?
「本当は誰にも教えたくないぐらいの、とっておきの情報がある。どんな本にも書かれていない、一部の成功者しか知らない真実のテクニックだ。ただし悪用しないでくれ。本当に驚くような効果が見込めるから。それを今からお伝えしよう。ただし繰り返すが誰にも口外しないでくれ。いいだろうか――」
……と言われたら、あなたはどう思うだろうか。
正直なところ「怪しいけど、知りたくなる」というのが、普通の心理かもしれない。私もどちらかというと、そういうタイプだ。未確認飛行物体(UFO)や未確認動物(UMA)などは存在しないと頭で決めつけておきながらも、そのような特集のテレビがあれば「見たい」という衝動が押さえられないタイプである。
さて、今回は説得テクニックがテーマ。
「納得させる」テクニックではなく、「説得する」テクニックだから、相手が腹落ちしなくてもけっこう。納得したなくても上等。けれども、こちらの言うとおりに従わせる、もしくはリードする、という、普通はお目にかかれない技術を紹介する。
被暗示性が高く、同調性が高く、ストレス耐性が低い人なら、押しの強い態度で話されたとき、それだけで説得されてしまうかもしれない。
まるで論理的な話し方でなくても、である。
しかし常人であれば、そう簡単ではないだろう。押しが強ければ、心理抵抗も強まる。普通はそういうものだ。
だから本来は、時間をかけて相手との信頼資産をしっかりと積み上げ、客観的データに基づいた事実を用いて論理コミュニケーションをとるのが正攻法だ。
どんなビジネス書にもそう書いてある。これが理想的な説得テクニックである。
しかし、この正攻法が使えないときがある。
それは以下2つのケースだ。
1.相手が論理的でない場合
2.信頼関係が構築できていない場合
これらのケースでは、少し強引な説得テクニックを使うほうがいいときもある(もし可能なら)。そのやり方と、そのメカニズムについて解説するのが今回の記事のテーマである。
冒頭に書いた通り、普通のビジネス書では披露されないテクニックだ。そして、正直なところ私自身も、あまり人に伝えたいとは思わない。マジックの種明かしをしているようなものだからだ。
このテクニックを知って、自分で扱えるようにトレーニングするのもいいし、反対に、このような説得テクニックを知ることで、強引に誘導されること(詐欺行為に合うなど)を防ぐのに役立ててもいい。
なぜ人間は、話し上手でもない、とても違和感のある喋り方をする人のことが気になるのか。そしてその人からの依頼を断れないのか。自分に不利だとわかっていても、なぜか承諾してしまうことがあるのか。そういう心理などについても理解できるだろう。
(そしてなぜ、冒頭のような文章でこの記事がスタートしているのか。それも最後には理解できるはずだ)
■騙されやすいピュアな人ほどうまくできる
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