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リアルな幻覚と睡眠障害【レビー小体型認知症】の特徴4選。介護福祉士がイラストでわかりやすく解説

みなさん、こんにちは!介護のお悩みサポーター『夢 はるか』です。わたしは15年以上、介護福祉士として介護現場で働いてきました。

そして、子どもの頃から好きだった漫画を描くことを通して、皆さんが意外と知らない、認知症や介護のことを知っていただければと、日々がんばっています。

今日は、以前にご紹介した4大認知症から、実際にはないものが見える『幻視』や『睡眠障害』が特徴的な『レビー小体型認知症』についてご紹介します。

リンク:【4大認知症とは】介護福祉士がイラストでわかりやすく紹介

レビー小体型認知症は、発症率が高い4大認知症の一つです。

レビー小体という異常なたんぱく質のかたまりが、大脳皮質(大脳の表面にある薄い層)に広く現れることによって起こる認知症です。

↓この記事の解説動画をご覧いただけます。

それでは、レビー小体型認知症の代表的な特徴を、イラストを交えて順に見ていきましょう。

実際にはないものが見える『幻視』

実際には、目の前にはないものが見えたり、いない人がいるように見えることを『幻視』といいます。

テーブルや壁などの小さなシミが、虫が這っているように、リアルに見えることがあります。

食パンにいちごジャムを塗ると、いちごのタネの小さな黒い粒が、たくさんの虫に見えるので、ジャムは塗らないという人もいます。

誰もいないのに、向こうから人がやってくるように見えたり、崖の上から車が落ちたなどと訴えることもあります。

『パーキンソン症状』が現れる

神経難病の『パーキンソン病』で現れる症状が出ることも、レビー小体型認知症の特徴です。

手足が震えたり、表情が乏しくなり、姿勢が悪くなるほか、小股・すり足で前屈みで歩くので、平らな床でも転びやすくなるなど、転倒の危険があります。

寝ながら叫んだり暴れる『睡眠時の異常行動』

睡眠中は、浅い眠り(レム睡眠)と深い眠り(ノンレム睡眠)が交互に繰り返されます。

眠りの浅いときに、奇声を上げたり、手足をバタつかせるなどの『レム睡眠行動異常症』が起こります。

夢の中で追いかけられたり、暴力を振るわれるなどの怖い夢を見たときに、寝ながら大声で叫んだり、隣で寝ている人を殴ったりすることがあります。

一日の中で『著しく変動する覚醒度』

一日の中でも、著しい認知機能の変化がみられます。

時間や場所がわからず、会話が成り立たないときもあれば、しばらくすると調子良く会話が弾むようになる『認知機能の変動』が激しくみられます。

レビー小体型認知症の初期段階では、物忘れよりも認知機能の変動の方が目立ちます。

まとめ

以上、レビー小体型認知症の特徴をご紹介しました。

あなたや、あなたのご家族にも、思い当たることがあったでしょうか。

そんな時は、不安や悩みを一人で抱え込まずに、かかりつけ医や、専門医のいる物忘れ外来、地域包括支援センターのケアマネージャーなど、専門家に気軽に相談してみましょう。

困った症状をすぐに治すことはできなくても、不安を軽くするための、何か良い方法をきっと教えてもらえると思いますよ。

介護福祉士としてデイサービスや訪問介護の現場で働いてきました。職場の上司の指導で、研究会での発表や、学術誌へのケースレポートの投稿なども積極的に行なっています。また、子どもの頃から好きだった漫画やイラストを描くことで、認知症の知識や介護のコツをわかりやすく伝えることを心がけています。

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