【レビー小体型認知症】幻覚・ないものが見える人への対応法3選【介護福祉士が漫画でわかりやすく紹介】
↓YouTubeのショート動画で解説漫画を見られます。
こんにちは。認知症と介護のお悩みサポーター『夢はるか』です。
今日は、昔わたしが老人施設へ実習に行ったときの体験談から、『幻覚・ないものが見える人(レビー小体型認知症)への対応法3選』をご紹介します。
学校で認知症をはじめ、介護に関する様々な内容を学んだ上で実習に臨みましたが、実習現場では座学では得られない驚きや学びの連続でした。
そんな体験を、漫画を通して少しでも皆さんと共有できたらと思います。
田中さん(仮名)が、突然窓の外を指さし、
『あそこに男の人がいるよ』
と言いました。
わたしのほかに、数名の施設の職員が一緒にいました。
一人の職員が田中さんに、
『男の人は、何をしていますか』
と、尋ねました。
田中さんは答えました。
「ジーーーーーーッと、こちらを見ているわ…」
「ヒェーーーー!」
顔面蒼白のわたしに、
「大丈夫ですよ」
と、ベテラン職員さんが声をかけてくれました。
レビー小体型認知症の田中さんには、ときどき幻視が現れるそうです。
幻視については授業で習っていたはずですが、初めての遅番、実習の緊張感、外が暗くなってきている…
いろいろな要因が重なって、わたしは体が硬直してしまい、その場で十分なケアができませんでした。
では実際に、どのような対応をすれば良かったのでしょうか。
1.否定しない。安心できる声かけを
突然、「○○がいる!」と、いるはずのないものがいると言われると驚いてしまいますね。
しかし、本人にとって見えているのは現実であって、否定されると傷ついてしまいます。
本人は大きな不安を感じています。
「そんなのいないよ」
「変なことを言わないで」
などの否定的な発言ではなく、
「そうなんですか、どんな人(虫)ですか?」
と、まずは何が見えるのかを確認し、怖い気持ちに寄り添う声かけをしましょう。
2.同じ方向を見て対応する
「どのあたりに見えますか?」
と位置を確認し、同じ方向を見ましょう。
「いま対応しますので、大丈夫ですよ」
と安心できる声かけをします。
床に落ちているゴミが、ゴキブリのように見えることもあります。
一緒に近づいてみて、ゴミを確認し片付けることで安心できる場合もあります。
3.過ごしやすい環境を整える
壁やテーブルクロスの模様やシミなどが、動き回る虫に見えることがあります。
できるだけ部屋を模様のない無地にするのが無難です。
また、部屋が薄暗いと見間違いが多くなりますので、照明を明るくするなどして、気持ちよく過ごせる部屋にしましょう。
いちごジャムの黒い粒が虫に見えることもあります。
その場合は、ピーナッツバターなど模様のないものにすると良いでしょう。
虫と見間違うようなものを献立からのぞいておくことで、トラブルを減らすことができます。
(↓YouTube動画でレビー小体型認知症について、さらに詳しく解説しています)
学校の座学で教わっただけではわからなかった多くのことを、わたしは現場実習で学ぶことができました。
現場にまさるものはありませんが、漫画なら文章よりもよりリアルに感じることができると思います。
これからも漫画を通して、一人でも多くの人に認知症や介護のことを知っていただければと考えています。