【国富町】墳活デビューにうってつけの古墳:駐車場にたたずむ18号墳(大)と17号墳(小)
《本庄古墳群》
( 5 ) 18号墳(西銚子塚)、17号墳
「墳活」という言葉を知っていますか? 古墳を見て回る活動のことで、今やちょっとしたブームになっています。せっかく古墳の町に住んでいるのですから、みなさんもこの「墳活」にチャレンジしてみませんか? 特に初めての墳活に最適なのが、18号墳(西銚子塚)と17号墳です。
・墳活デビューにうってつけの古墳
18号墳は、県道26号沿いのパチンコ店の駐車場の隅という、非常にユニークな場所にあり、簡単に見つけられます。
ほぼ原形を保っていて、全長80メートル、高さ5mの大きさを誇ります。また、町の中心部にあるためアクセスが良く、すぐそばには対照的に小さな17号墳もあります。さらに、近くには13号墳や15号墳もあるので、墳活デビューにぴったりの古墳と言えるでしょう。
なお、この駐車場は利用者専用なので、車で来る場合は周辺の駐車場を利用してください。みんなが墳活を続けられるよう、マナーを守ることが大切です。
・18号墳:柄鏡のような形の古墳
18号墳は、柄鏡式と言われる前方後円墳です。通常、前方後円墳は鍵穴のような形ですが、柄鏡式は前方部が細長い長方形になっています。手鏡の形に似ているため、柄鏡式と呼ばれています。一般的に、前方部は低めに作られています。
下は一般的な前方後円墳。前方部の違いが判ると思います。
柄鏡式は、この鍵穴のような形に定まる前のものと考えられ、そのことから18号墳は本庄古墳群の中でも初期の4世紀後半に造設されたと言われています。本庄古墳群の中で、柄鏡式は13号墳、15号墳、18号墳の3基だけです。
アスファルト上の緑の小島
では登って見ましょう。東側の後円部から登ります。
階段は無いものの、登りやすい。この辺りは周囲がアスファルトで舗装された敷地なので、緑で囲まれたここだけ異質な世界ですね。
墳丘に到着しました。標石が建っています。
墳丘からの南側(県道側)の風景。駐車場が見えます。
そして、北側の風景。
どちらも見えるのはアスファルトの敷地で、緑に覆われた古墳と対照的です。降りて、側面を見てみましょう。
上の写真は東側の後円部。左側に段差があります。18号墳は3段の層があり、その1つだと思います。そして次に、少し離れたところから。
西側に行って、前方部を見てみましょう。
古墳に沿って歩くと、すぐに前方部の端に到着。
柄鏡式らしく低いですね。きれいな形で残ってます。
・17号墳:まるで18号墳の衛星のような小さな円墳
同じ駐車場敷地内に位置する17号墳は、直径約7m、高さ約1.5mのコンパクトな円墳です。ぽこんと盛り上がった姿は、かわいらしく感じます。18号墳が地球なら、17号墳は月のよう。もちろん古墳は周りませんが。
アスファルトを突き破ったかのように顔を出し、標柱が古墳であることを示しています。それにしても、事情は分かりませんが、よく残してくれましたね。
・19号墳:民家の庭にある古墳
近くの民家の庭に、小さな円墳の19号墳がありますが、詳細は不明です。民家の敷地内にあるため、見ることは難しく、写真も撮っていません。こういう古墳があるとだけ思ってください。
・さまざまな視点から楽しむ古墳
18号墳(西銚子塚)は広い敷地の隅にあるため、方向を変えたり、近くで見たり、遠くからみたりと様々な見方ができます。しかも円墳の17号墳もすぐそばにあります。
大きくて、原形を保っている柄鏡式の18号と、小さい円墳の17号墳。違うタイプの2種類を見ることができます。ここから墳活人生をスタートしてみましょう。
取材協力:中野正裕様 (くにとみ史跡・文化ガイドの会会長)
本庄古墳群他の記事:
34号墳:古墳の基本知識、本庄古墳群記事一覧についての紹介もここです
【国富町】古墳と隣人たち:地味でも愛着ある本庄古墳群34号墳~古墳から見える周辺スポット
37号墳(上長塚古墳):
【国富町】美女と古墳:37号墳が語る美しき髪長媛(かみながひめ)の伝説
13号墳(観音山塚):
【国富町】東西に分断された古墳:13号墳が語る過去と現在の共存
関連記事: