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ジュラシック・ワールドを見る前に、ジュラシック・パークも要チェック!【より面白くなるポイントは?】

渡辺晴陽作家・脚本家/エンタメアドバイザー
写真はイメージです

本日の金曜ロードショーは、『ジュラシック・ワールド』シリーズ3週連続放送の2週目ですね。予定通りなら、第2作の映画『ジュラシック・ワールド/炎の王国』が放送されます。そして、来週には、第3作にしてシリーズ完結作にあたる映画『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』の放送も控えています。

いずれも何度も見ている作品ですが、何度見ても面白くて、こういう機会にはつい見たくなってしまいます。

『ジュラシック・ワールド』シリーズは『ジュラシック・パーク』シリーズの続編で、全3作あります。それぞれ単品で見ても楽しめる作品ですし、「ワールド」の3作だけでも一つのストーリーとして完成していますが、前日譚である「パーク」のシリーズ(全3作)から通して見れば、より深く楽しめます。

私自身、劇場公開時には、『ジュラシック・パーク』シリーズについての記憶が曖昧な状態で、『ジュラシック・ワールド』シリーズを鑑賞してしまいました。

それでも充分面白かったのですが、別の機会に改めて『ジュラシック・パーク』シリーズを見てから、『ジュラシック・ワールド』シリーズを鑑賞したところ、劇場で初めて見たときよりも強い衝撃を受けました。
特に「ワールド」シリーズ2作目の「炎の王国」と3作目の「新たなる支配者」を見る前には、「パーク」シリーズを見ておくのが望ましいと感じました。

とはいえ、時間がない!?

長編映画の長さは1.5~2時間前後のことが多いですが、『ジュラシック・パーク』シリーズの3作も同じくらいの長さです。つまり、3本で約6時間!
下準備として見るのはなかなか大変かもしれません。

そこで今回は、これから映画『ジュラシック・ワールド/炎の王国』を鑑賞する方が、鑑賞前に1本だけ見ておくとしたらどの作品がいいか、オススメしたいエピソードを、優先順位のランキング形式で紹介します。

今夜、金曜ロードショーで『ジュラシック・ワールド/炎の王国』を見る予定の方は、その前に1本、ざっと鑑賞してみてはどうでしょう?

(※以下は個人的に考えた順位付けで、可能なら最初から通して見てもらいたいところですが、あまり時間がないという方は参考にしてみてください)

『ジュラシック・ワールド/炎の王国』の前に見ておきたいエピソード

  1. 『ジュラシック・ワールド』
  2. 『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』
  3. 『ジュラシック・パーク』

『ジュラシック・パーク』及び『ジュラシック・ワールド』のシリーズを一つも見たことがない、あるいはよく覚えていない方が「炎の王国」を見るなら、最も優先度が高いのは、やはり「ワールド」シリーズ第1作の映画『ジュラシック・ワールド』でしょう。「炎の王国」の舞台は、第1作の3年後で、主要な登場キャラクターも共通しています。主人公のオーウェンやクレアの人物像や恐竜たちの置かれた状況を知っておくだけでも映画がより楽しくなるはずです。
一部では『ジュラシック・ワールド』シリーズの真のヒロインとも言われるヴェロキラプトル(恐竜)のブルーの怖さと可愛さ。そして、オーウェンとの関係性もチェックしておきたいところです。

映画『ジュラシック・ワールド』はご覧になったうえで、「パーク」シリーズのどれか1本を見ておくなら、「パーク」シリーズ第2作の映画『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』がいいかもしれません。「炎の王国」との共通点も多く、「炎の王国」の冒頭とラストに登場するイアン・マルコム博士は、映画『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』の主人公でもあります。

あるいは、シリーズの最初の映画『ジュラシック・パーク』もオススメです。もし、映画『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』を見るときに見ておきたい「パーク」シリーズの作品を一つ選ぶとすれば、こちらがトップになるでしょう。
こちらの作品にも、イアン・マルコム博士が登場していますし、恐竜を展示するテーマパーク「ジュラシック・ワールド」が出来る基礎となった「ジュラシック・パーク」のことや、劇中の会話に出てくる「ジョン・ハモンド」のことも分かります。

一方、映画『ジュラシック・パークⅢ』は、「ワールド」のシリーズ(特に「炎の王国」)とはそれほど深く関係してこないので、余裕がなければ後回しでも大丈夫そうです。

どうしても時間が取れないなら、チェックしておきたいポイントは?
どうしても時間が取れないなら、チェックしておきたいポイントは?

要チェックポイント

事前に映画を見る時間がないという人は、映画『ジュラシック・ワールド/炎の王国』を見る前に、下記のポイントだけでも整理しておくといいでしょう。

ジュラシック・ワールド
生きた恐竜を展示するテーマパークとして開業した施設の名前。一時は世界的に人気の観光施設となったが、ある事件により閉鎖され、以降、その地には恐竜だけが暮らしている。
イアン・マルコム
色付きのメガネをかけた数学者の男で、黒い髪(「ワールド」では白髪)と黒い服が印象的。クールな皮肉屋のため嫌なやつだと思われがちだが、意外と熱い性格で、大切な人のためなら我が身の危険をいとわない勇敢さをもつ。「何が起こるか予想不可能(カオス)」だと言って、「ジュラシック・パーク」の計画時点から恐竜の再生に強く反対していた。
ジョン・ハモンド
「ジュラシック・パーク」という恐竜のテーマパークを作ろうとした資産家。計画は失敗に終わり、後に彼の所有していた会社インジェン社は、マスラニ・グローバル社に買収され、「ジュラシック・ワールド」という恐竜のテーマパークが実現した。
ヘンリー・ウー
「ジュラシック・パーク」を作る構想のため、恐竜の再生にたずさわった遺伝学者。22年後に作られた同様のテーマパーク「ジュラシック・ワールド」でも恐竜作出にたずさわっている。自らの科学技術を過信している部分があり、その過信がその後の様々な問題に繋がっていく。

これらが映画『ジュラシック・ワールド/炎の王国』にどう関わってくるのか。その点に注目するだけでも、映画の楽しさは倍増するはずです。

いかがでしたか?
いかがでしたか?

出来ることなら、『ジュラシック・パーク』→『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』→『ジュラシック・パークⅢ』→『ジュラシック・ワールド』→『ジュラシック・ワールド/炎の王国』→『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』と順番通りに見るのが一番いいのですが、その時間がないときに最低限チェックしておきたいエピソードや押さえておきたいポイントを紹介しました。

『ジュラシック・パーク』シリーズを見てから『ジュラシック・ワールド』を見ると、オマージュしたシーンやちょっとした小道具などの共通点に気付けます。

また、現実世界でも長い時を経ているため、科学の進歩や、人々の価値観(視聴者も含め)の変化、恐竜への印象(怪獣か動物か)の違いなど異なる点も多く興味深いです。

今夜、金曜ロードショーを見る予定の方も、それ以外のタイミングで『ジュラシック・ワールド』シリーズを見るつもりの方も、『ジュラシック・パーク』シリーズを合わせてチェックしてみてはいかがでしょうか?

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作家・脚本家/エンタメアドバイザー

国立理系大学院卒、元塾経営者、作家・脚本家・ライターとして活動中。エンタメ系ライターとしては、気に入ったエンタメ作品について気ままに発信している。理系の知識を生かしたストーリー分析や、考察コラムなども書いている。映画・アニメは新旧を問わず年間100本以上視聴し、漫画・小説も数多く読んでいる。好みはややニッチなものが多い。作家・脚本家としては、雑誌や書籍のミニストーリー、テレビのショートアニメや舞台脚本などを担当。2021年耳で読む本をつくろう「第1回 児童文学アワード」にて、審査員長特別賞受賞。

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