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夏休みに、子どもから大人まで安心して楽しめるアクション映画3選【ハラハラし過ぎず気楽、家族で鑑賞も】

渡辺晴陽作家・脚本家/エンタメアドバイザー

アクション映画は、頭を空っぽにして楽しめて、スカッとして、熱くなれて最高。ですが、生々しい流血や、暴力的なシーンがある作品も多くあります。

映画は現実とは違うので、実際に血が流れているわけでも、誰かが苦しんでいるわけでもありませんが、中には痛々しくて見てられないという人もいるかもしれません。また、子どもに見せるのをためらわれる方もいることでしょう。

そこで、今回は大人から子どもまでが安心して楽しめるアクション映画作品を3つ紹介します。もちろんアクション映画なので、戦闘シーンなどは派手でカッコいいですが、執拗な暴力や過度に生々しい表現はありません。

記事の画像はイメージです
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スパイキッズ

2001年の映画で、ロバート・ロドリゲス監督が脚本・製作を手掛けています。アクション映画としての迫力を楽しめる一方で、全体的にコミカルに構成されているため、家族みんなで見られる内容です。2002年には続編『スパイキッズ2 失われた夢の島』、2003年には『スパイキッズ3-D:ゲームオーバー』、2011年には『スパイキッズ4D:ワールドタイム・ミッション』が公開されています。そして、2023年にはリブート作『スパイキッズ:アルマゲドン』がNetflixで配信されました。

元スパイの両親をさらわれたカルメンとジュニの姉弟は、両親の残したスパイ道具などを使いながら両親を助けに向かいます。一方で、敵の組織は両親が隠しているあるものを手に入れて、世界を征服するための恐るべき計画を実行しようとしています。賢く強い姉のカルメンと、どこか頼りない弟のジュニは二人で力を合わせて困難を乗り越えていきます。

見どころ

ワクワクするようなアクションがある一方で、暴力や残酷なシーンはほぼ登場しないので楽しく見られる作品です。まるでアトラクションに乗っているような疾走感のあるシーンも多く、詳しいストーリーを理解できない年代の子どもであっても、画面を見ているだけで楽しめるはずです。基本的に笑いながら見るようなコメディ色の強いアクション映画ですが、姉と弟が助け合う場面や、信頼し合う家族の姿などには胸がジーンとするはずです。

続編やリブート作などもあり長く愛されている作品なので、気に入ればシリーズで楽しめます。

しっかり者の姉と、弱虫で頼りない弟が支え合う姿が微笑ましい作品
しっかり者の姉と、弱虫で頼りない弟が支え合う姿が微笑ましい作品

スモール・ソルジャーズ

1998年の映画で、『ピラニア』や「グレムリン」シリーズなどの映画や、テレビドラマシリーズの監督でも知られるジョー・ダンテ監督の作品です。1999年には上山道郎さんによる漫画版も発売されました。

玩具メーカーがマイクロチップを搭載した人形を開発します。人形には「ゴーゴナイト」というモンスター型のものと、「コマンドー・エリート」という軍人型のものがありました。主人公のアランは、角の生えた犬風の獣人で弓使いのゴーゴナイト・アーチャーと仲良くなります。
しかし、コマンドー・エリートの人形たちが、アーチャーや他のゴーゴナイトたちを破壊しようと動き出します。なんと、人形に組み込まれたのは軍用のチップで、しかもコマンドー・エリートたちはゴーゴナイトを敵として破壊するように設定されていたのです。

見どころ

主人公が仲良くなるゴーゴナイトたちはモンスターの人形ですが、どこか可愛らしい外見をしており愛嬌があります。そんな彼らを敵のコマンドー・エリートが襲います。戦いの得意な軍人の人形「コマンドー・エリート」たちに対して、基本的に戦えない「ゴーゴナイト」たち。そんな弱くも愛嬌ある人形たちとアランが力を合わせ、個性と知恵を武器に敵に立ち向かう姿には熱くなります。また、友達のような人形たちを見ていると、現在どんどん進歩しているAIなどへも夢が膨らむことでしょう。

この映画を見たらきっとアーチャーが欲しくなる
この映画を見たらきっとアーチャーが欲しくなる

ラスト・アクション・ヒーロー

1993年の映画で、ジョン・マクティアナン監督の作品です。主演は、当時「ターミネーター」シリーズなどの映画で一世を風靡していたアーノルド・シュワルツェネッガーです。

ダニーという少年は映画が好きで、特に、アーノルド・シュワルツェネッガー主演の「ジャック・スレイター」というアクション映画シリーズの大ファンでした。ダニーはあるとき「魔法のチケット」を手に入れます。すると、「ジャック・スレイター」の映画の中に入ったり、映画から主人公のジャック・スレイターが出てきたりという信じられないことが起こります。そして、ジャック・スレイターと親しくなる一方で、ダニーは危険な事件に巻き込まれていきます。

見どころ

ド派手なアクションの映画に入り込んで暴れたり、映画のヒーローが現実に出てきたり。もうそれだけで夢があって楽しくなるはずです。今回紹介した映画の中では少しハードで、銃撃戦などのシーンもありますが、コメディとアクションのバランスが良く、スリリングで最後まで夢中で見られます。

熱いアクションもさることながら、夢にあふれた作品
熱いアクションもさることながら、夢にあふれた作品

劇場で公開されている低年齢から見られるタイプのアクション系映画には、3Dアニメや、VFXなどを使った壮大な作品が増えてきています。それも楽しいですが、実際の人が動いている生身の臨場感にはまた違った熱さを感じるはずです。

今回の3作品は20~30年ほど前に公開された映画ですが、配信サイトなどでは生身の臨場感を感じられる新作アクション作品やオリジナル作品も公開されています。今回の映画が気に入った方は、配信サイトをチェックしてみるのもいいかもしれません。

作家・脚本家/エンタメアドバイザー

国立理系大学院卒、元塾経営者、作家・脚本家・ライターとして活動中。エンタメ系ライターとしては、気に入ったエンタメ作品について気ままに発信している。理系の知識を生かしたストーリー分析や、考察コラムなども書いている。映画・アニメは新旧を問わず年間100本以上視聴し、漫画・小説も数多く読んでいる。好みはややニッチなものが多い。作家・脚本家としては、雑誌や書籍のミニストーリー、テレビのショートアニメや舞台脚本などを担当。2021年耳で読む本をつくろう「第1回 児童文学アワード」にて、審査員長特別賞受賞。

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