はらぺこライターの旅人間です。今回は山梨県大月市から食レポです。ところで、この大月市には”桃太郎伝説”があるって知ってますか？

一般的には桃太郎と言えば岡山県で知られていますが、全国各地に伝承があり、その中でも大月市は極めて信憑性が高いといわれています。そんな日本の民話を取材している時に出会った”地元の人が愛する名店”を紹介しましょう。

この店は「宝来軒」という。細い路地の中に隠れたように存在する小さな中華食堂だ。誰かに教えてもらわないと見つけられないほど目立たない場所にある。

昭和の趣がある昔ながらのアットホームな雰囲気の中、温和なご夫婦が店を切り盛りしている。もう50年以上ここでやっているのだとか。

メニューは色々とあるが、気になるのは”宝来軒特製”と書かれた中にある「肉揚げラーメン」と「いも揚げラーメン」だ。

実を言えば、地元で取材中している際に”肉揚げ、いも揚げ”の評判を聞いていたので、本当のことを言えば「なるほど、これか」といった感じ。そして迷うなら「ミックス」を注文すれば間違いないという情報も教えてもらっていた。

そして「ミックスラーメン」を注文。5分以上待っただろうか？感覚的には随分と待ってからやって来た。

これは同店のスタイルで揚げる工程も含め丁寧に調理をしているから。もし、時間に余裕がないなら”肉揚げ、いも揚げ”は適さないだろう。

しかし、待つ価値はある。なぜなら、他では見たことがないようなインパクトある料理がドン！と目の前に到着するからだ。

まるで大月市から美しくみられる富士山のような盛り方である。

それにしても…すごいな。

いも揚げの芋

肉揚げの肉は薄い豚肉をカラッと揚げた竜田揚げのよう。

そして肉と芋な中には”もやし”が大量に入っている。

もやしのシャキシャキ感と一緒に麺をすすって食べると口当たりも抜群だ。スープは驚くほど薄味。このアッサリ感は人によって受け止め方は様々だろうが、揚げられた肉をスープに染み込ませて食べるとバランスが絶妙となる。

一般的に濃い味の店は流行ると言われ、薄味の料理を出す店は評価が悪くなってしまうケースが時としてある。ここは好みの問題になるが、もし薄いと感じたたらしっかり混ぜて食べてみて欲しい。

それにしても満足度が高い。いや、何より他にありそうでないオンリーワンの味わいに惹かれる。まさに「路地裏に隠れた名店あり」そんな言葉を言いたくなる。これは単に私がこの言葉を使うのが好きだから特にかもしれないけど…。

この地域に住む方からすれば、馴染みのある店だと思うが、遠方から来たものからすると大発見のような感覚になる。

やっぱり地元に根ずく昔ながらの食堂は奥が深い。今回はつくづく感じた。

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