太平洋横断を目指した風船おじさん「ファンタジー号事件」ビニール風船26個で出発したその結末とは?
皆さんは何か夢を追いかけていますか?本記事では、今から30年以上も前に果敢にも「風船で太平洋横断」という困難に立ち向かった一人のおじさんのストーリーをご紹介します。
■事件は現場で起きている「ファンタジー号事件」
皆さんは、風船おじさんこと鈴木嘉和氏の、「ファンタジー号事件」を覚えていらっしゃいますでしょうか。風船おじさんはピアノ調律師で、自身が開催していた音楽イベントではフィナーレに毎回風船を飛ばしていたそうです。しかし、経営していた音楽サロンがうまくいかず、多額の借金を抱えてしまいます。そして風船おじさんは、「ビニール風船26個をつけたゴンドラ・ファンタジー号で、太平洋を横断して借金を返済する」と仰天の計画を発表します。
しかし、「風船はマイナス何十度にも達する高空に耐える保証もない」という意見や、「上空で気圧が下がると球形の風船では膨らんで弾ける可能性」などが指摘されていました。更には、国土交通省は安全性に疑問があることから飛行許可の申請を受理していませんでした。
■遂にアメリカへ出発、その結末は?
そして、遂に風船おじさんの計画が遂行されます。まずは、あくまで試験飛行という名目で、琵琶湖にて風船を使い上昇し、一旦地上に戻ってきます。しかし、その後、「行ってきます」という言葉を残し係留するためのロープを外し、アメリカへの横断を強行したのです。周りもビックリですね。
風船おじさんは出発後も電話にて、「ヘリウムが少し漏れているが大丈夫だ」と回答をしたり、「たばこを吸った」など余裕をかましていたそうです。そして、次の日、風船おじさんの奥さんへ「素晴らしい朝やけだ。きれいだよ」伝えた後、それ以降連絡が来ることはなかったのです。その後、家族から捜索願が出され、アメリカ、カナダ、ロシアも巻き込み風船おじさんを探したのですが、見つかることはありませんでした。きっと風船おじさんはアメリカとは言わずに、お星様になってしまったのかもしれません。しかし、風船おじさんはまさに世界一自由な男だったと言えるでしょう。
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