来週にかけて熱帯擾乱が季節外れの北上の可能性も
台風20号は南シナ海を西進へ
大型の台風20号は、これからあす24日(木)にかけてフィリピン北部を通過し、南シナ海を西進するでしょう。台風が大型のため、遠く離れていても、沖縄方面まで台風に伴う暖湿気が流れ込む見込みで、沖縄はあさって25日(金)にかけて、大雨や強風、高波などに十分な注意が必要です。
新たな熱帯低気圧が発生し、北西方向へ
タイトル画像をみると、台風20号の他にも、日本のはるか南東海上にまとまった雲域があり、この付近で低圧部が発生しています。低圧部とは、周囲より気圧が低く、雲の循環は認められるものの、その中心付近がハッキリとしない熱帯擾乱(ねったいじょうらん)のことで、中心付近が解析されるようになると、台風のたまごである熱帯低気圧に名前が変わります。
気象庁の予想では、あす24日(木)午前9時までには、低圧部が熱帯低気圧に変わり、あさって25日(金)午前9時には、グアム島近海に達する見込みです。その後は、太平洋高気圧の縁辺に沿って、北西方向へ足早に進み、週末にかけて、日本の南方海上へ達するという計算が多くなっています。
アンサンブル予報では?
参考までに、日本のアンサンブル予報では、来週の29日(火)頃にかけて、日本の南から沖縄方面に熱帯擾乱が予想されていて、左図のようにあまり発達しないものから、右図のように台風と思われる勢力に発達するものまで、様々な計算結果が存在する状態です。一番気になる右図のような計算の割合としては、3割程度となっています。
季節外れに強い太平洋高気圧が北上を手助け?
気になるのは、熱帯擾乱の発達に加え、季節外れに強まる太平洋高気圧の動向です。来週の29日(火)頃には、日本の南東海上で季節外れに強まっていて、この太平洋高気圧の縁辺に沿って、熱帯擾乱が日本付近に向かって北上してくる計算が一定程度存在します。熱帯擾乱の発達具合がどうなるか、かなり不確実な状況ではありますが、来週にかけての動向にご注意ください。