火星に生命の兆候を発見か 2030年代には火星サンプルが地球へ帰還予定、微生物は存在するのか?
NASAによると、火星で探査ミッションを継続中のローバー「パーシビアランス」が、数十億年前に生存していた可能性がある微生物の痕跡を発見しました。
本記事ではその痕跡の内容をはじめ、NASAが計画している地球への火星サンプルリターンミッションもご紹介ます。
■微生物の兆候が見られる岩石を発見
2021年、NASAは探査車「パーシビアランス」を火星に着陸させ、現在も表面の探査を行っています。7月21日、太古の昔に川が流れていたと推測されている「ネレトバ渓谷」の岩石を分析したところ、ある化学物質が初めて確認されました。それは、数十億年前に生存していた微生物がエネルギー源として使用していた可能性のある物質とのことです。このような物質は地球でも見つかっており、微生物による化学反応により生成されることから、生命の痕跡として考えられるとのことです。
更には、パーシビアランスは微生物が生息した可能性のある古代の湖も発見しています。ジェゼロクレーター付近で堆積物の分析を行ったところ、過去にこのクレータは水で満たされており、微生物などの生命体が生息している可能性があるとのことでした。ここで回収されたサンプルは、2030年代に地球へ持ち帰られる計画が進められています。
■火星サンプルを地球に持ち帰るNASAの壮大なミッション
NASAとESA(ヨーロッパ宇宙機関)は現在、火星の砂を地球へ持ち帰る「マーズ・サンプル・リターン」計画を共同で進めています。
2023年、パーシビアランスは火星でのサンプル採取に世界で初めて成功しました。採取された岩石や土壌のサンプルは2本のサンプルチューブへと詰められ密閉され、一本は火星表面に設置し、一本はパーシビランスが持ち続けています。
続いて、NASAは2028年に小型ロケットを搭載した火星着陸機を打ち上げ、パーシビアランスの近くに着陸することでサンプルを受け取る計画です。そして、小型ロケットにより火星から離陸し、火星軌道上で待機しているイーサの地球往還機にサンプルを受け渡し、2033年に地球へ帰還する予定となっています。一方、こちらの計画はアメリカ政府より十分な予算が付かなかったとの事で、プロジェクトが縮小傾向にあるという報道も出ており、更なる計画の遅延が発生する可能性もあります。
もし火星に本当に微生物がいたとしたら夢が広がりますよね。是非、火星からのサンプルリターンミッションを成功させてほしいですね。
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