地球の自転が徐々に遅くなっている?月がなくなると地球に何が起こるのか、超高速で回転を始める?
皆さんは子供の頃に比べて、1日の長さが短くなったと感じる時はありませんか?しかし、科学的には地球の自転は徐々に遅くなっており、1日は長くなっているのです。本記事では、その原因と真犯人(天体?)について解説します。
■1日の長さが徐々に長くなっている?
今から約45億年前、月が誕生したときの地球は、今より5倍以上早いスピードで自転していたといわれています。その頃の1日の長さは約21時間、もし現代であったとすると、勤務時間は変わらず睡眠時間だけが削られてしまいそうな気がしますね。実は地球の自転は、約100年で37秒づつ遅くなっていると言われています。逆に言うと、数億年後には1日が25時間になり、1時間長く眠れるということになります。
これらの現象は、古生代オルドビス紀末のオウム貝の殻を観察することで計算できます。隔壁間にある気房の殻の成長線は、数カ月齢に対応しているため、現代との1日の長さの違いを知ることができるのです。それでは、なぜ地球の自転速度は遅くなっているのでしょうか。
■原因は月のせいだった
その原因は「月の潮汐力」です。まず。海面の水位は1日の中で変動していますが、その理由は月の引力で海が引っ張られているからなんですね。この潮の満ち引きにより、地球の海水と海底との摩擦が発生し、自転にブレーキがかけられているのです。
一方、月も地球から運動エネルギーを得る(難しい言葉で言うと、角運動量保存の法則)ことで、徐々に地球から遠ざかっています。これは月面に設置した反射鏡装置との距離を計測した結果、月は1年で3cmづつ地球から離れていることから確認されています。
■月がなくなると、地球は超高速で自転する?
もしも月がなかったとすると、一体何が起こると思いますか。まずは「潮の満ち引き」がなくなります。この潮の満ち引きがなくなることで、地球は超高速で自転をすることになってしまうのです。
地球の自転が高速化すると、自然環境も大きく変わってしまいます。地表には強風や砂嵐が吹き荒れ、私たち人類は住む場所が限られてしまうでしょう。海辺では干潟がなくなり、たくさんの海洋生物に大きな影響を与えてしまいます。
そして、私たち生命は月の潮汐力により海の物質がかき混ぜられ誕生したと考えられています。もし私たちが絶滅してしまったら、地球は永遠に生命の星ではなくなってしまうかもしれませんね。
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