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R・マドリー戦。レガネスのアギーレがマジョルカの監督だったら久保建英はもっと活躍した

杉山茂樹スポーツライター
(写真:ムツ・カワモリ/アフロ)

 レアル・マドリーに0-2。マジョルカは現地時間24日に行われたこのアウェー戦で、順当負けした。身贔屓するわけではないが、0-2のスコアで済んだ一番の理由は、久保建英の存在と関係する。彼がいなければ、試合はもっと一方的になっていたと思われる。

 マジョルカのビセンテ・モレーノ監督は、シーズンのある時まで、そんな久保を先発で積極的に使おうとしなかった。その通算1753分という国内リーグの出場時間はチームで9番目。久保に低評価を下していたからか、大事に育てようとする親心からなのか、定かではないが、降格圏内(18位)を彷徨うマジョルカの成績は、その序列の低さと密接な関係にある。

 通常4-4-1-1、4-2-3-1、あるいは4-4-2で戦うマジョルカだが、この日は3-5-2的な3バックで戦った。実質5-3-2になる時間が圧倒的に長かった守備的な3バックだ。その2トップの一角として出場した久保は、レアル・マドリーを向こうに回し、かなりやれていた。

 孤軍奮闘と言ってもいい。選手の評価を確定させるには10代は早すぎる。サッカーでは20歳を超えるまで待つべしとは、これまでにも再三述べてきたことだが、久保の将来への展望が、このレアル・マドリー戦を経ていっそう開けたことは確かである。代表戦100試合ではなく、チャンピオンズリーグの出場試合数で100を超える、日本と言うより欧州サッカー界を代表する選手になる期待が膨らんできている。

 それだけに、マジョルカのビセンテ・モレーノ監督のサッカーが貧しく見えた。久保を一刻も早く、よりよいチームでプレーさせたくなった。

 一方、マジョルカとともに降格圏内を彷徨うレガネスは、6月16日、レアル・マドリーと優勝を激しく争うバルセロナと対戦。こちらも0-2で敗れている。しかし内容的には断然、上だった。見どころのあるサッカーをしていた。こちらも3バック。3列表記で表すなら5-4-1だ。

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スポーツライター

スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、プレスパス所有者として2022年カタール大会で11回連続となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

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