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1月スタート冬ドラマ初回から見逃せない4本+超絶必見の配信ドラマ1本

武井保之ライター, 編集者
日本テレビ系『ホットスポット』公式サイトより

新年がはじまり、もうすぐ1月期の冬ドラマがスタートする。各局のドラマ情報を見ると、いつになく興味深い作品が多い。そんななかでも、とくに気になるのが以下の4本だ。さらに配信ではディズニープラスの決して見逃せない1本がある。

期待しかないバカリズム脚本の新作ドラマ

まずは、前評判も期待値も高すぎるのが、バカリズムによるオリジナル脚本の『ホットスポット』(日本テレビ系)。名作と呼ばれた『ブラッシュアップライフ』と同じ枠で、同じスタッフが再集結する。

本作は、宇宙人に出会ったビジネスホテルに勤めるシングルマザー(市川実日子)が、彼の機嫌を損ねないレベルで仕事や私生活のちょっとした事件の解決をお願いするという、ジャンル不明の物語。

『ブラッシュアップライフ』では、「人生●周目」というホットワードを世間一般に浸透させたが、本作ではどんなシュールな物語から、どれだけ深く心をつかむセリフが生まれるのか、いまから楽しみだ。

続いて、名作が多いTBS金曜ドラマから『クジャクのダンス、誰が見た?』。「このマンガがすごい!2024」にランクインした同名漫画(浅見理都著)を原作に、脚本は金沢知樹氏。キャストは、広瀬すず、松山ケンイチ、リリー・フランキー、磯村勇斗と曲者揃い。

元警察官の父親を殺された娘が、遺された手紙を手がかりに真相に迫っていくクライムサスペンス。人間ドラマとしても見応えがありそうな予感あり。

松坂桃李が新たな名物教師キャラクターを生み出すか

そして、安定のTBS日曜劇場から『御上先生』。「日本の教育を変えてやろう」と意気込む東大卒のエリート文科省官僚(松坂桃李)が、出向(左遷)を命じられ私立高校の現場教師となり、高校生を導きながら教育現場を良くしようと権力に立ち向かっていく反骨のヒューマン学園ドラマ。

近年では『今ここにある危機とぼくの好感度について』(NHK)や『離婚しようよ』(Netflix)などの“正統派ではない”クセのある主人公像の怪演でつめ跡を残していた松坂桃李が、新たな名物教師キャラクターを生み出すか。新人俳優が多く出演する学園ドラマからの若手スターの輩出にも期待したい。

もう1作は、NHK大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』。江戸時代に日本のメディア産業およびポップカルチャーの礎を築いた蔦屋重三郎の波乱万丈の生涯を描くエンターテインメントドラマ。

脚本の森下佳子氏は、名作『義母と娘のブルース』(TBS系)や大河ドラマ『おんな城主 直虎』などを手がけている。キャストは横浜流星、小芝風花、渡辺謙、染谷将太と芝居が楽しみな面々。

“エンターテインメントドラマ”という大河ドラマへの期待と不安が半々ながら、まずは見てみたいところ。

柳楽優弥の闇が潜む主人公の怪演に期待

配信ドラマで決して見逃せないのが、まだ少し先だがディズニープラスの『ガンニバル』シーズン2(3月19日配信)。

前作のラストは、視聴者のフラストレーションを溜めまくったであろうひどい終わり方だったが、それでもその続きをどうしても見たくなる作品力を秘めた怪作だった。なので、『ライラの冒険 黄金の羅針盤』(日本2018年)にならなかったことにまずは安心。

供花村に受け継がれる呪と、隠された真実が明らかになるストーリーとともに注目されるのは、闇が潜む主人公・阿川大悟の柳楽優弥の怪演。『ライオンの隠れ家』(TBS系)で演じた心優しく大人しい青年とは正反対の暴力的で荒んだ性格の警察官だが、目が離せなくなる引力がある。

配信が待ち遠しい。

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ライター, 編集者

音楽ビジネス週刊誌、芸能ニュースWEBメディア、米映画専門紙日本版WEBメディア、通信ネットワーク専門誌などの編集者を経てフリーランスの編集者、ライターとして活動中。映画、テレビ、音楽、お笑い、エンタメビジネスを中心にエンタテインメントシーンのトレンドを取材、分析、執筆する。takeiy@ymail.ne.jp

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