年末年始休みに見ておきたい秋以降配信の新作ドラマ2本+映画3本+アニメ1本
学生も社会人も休みに入る年末年始は、多忙なふだんはまとめて見られない配信ドラマを一気見するチャンス。そこで、この秋以降、配信スタートした最新ドラマからおすすめをピックアップ。
夏まで日本ドラマの話題作が多かったNetflixだが、秋に入ってからいまひとつ強く引かれる作品がない印象。Amazonプライムも独特な作風でパンチのあるアメリカ制作オリジナルドラマの新作をしばらく見ていない。
一方、ここ最近で勢いを感じるのがディズニープラスだ。オリジナルカテゴリのスターに続々と新作が投入されているなか、冬休みの限られた時間で1作しか見られない人には、サイコサスペンス『グロテスク』(FX)がおすすめ。
舞台はアメリカの地方の小さな町。そのコミュニティを揺るがす、身の毛もよだつ凶悪犯罪が連続して起きる。主人公の地元の女性刑事が捜査にあたるなか、キリスト教の聖職者が関係する不可解な状況に陥り、いつしか複雑な人間関係のなかで、誰もが心の底に抱える本音と、人間の本性がむき出しになっていく。
数話見たところで、この物語はどこかおかしいと気づくはず。そして、中盤でそれまでの状況をひっくり返す事態に遭遇し、ラストまで強く惹きつけられる。しかし、その結末には賛否がありそうだ。個人的には納得しがたい終わり方だった。
現実と非現実が交錯し、真実が錯綜するストーリーテリングは、デビッド・リンチの名作『マルホランド・ドライブ』(2001年)を思わせる。
本作の制作は、日本でも大きな話題になった『SHOGUN 将軍』のFX。リアリティを追求したストーリーとドギツい映像描写も含むサスペンスが真骨頂だ。本作を見れば、FXの作品を掘り下げたくなるかもしれない。それほど力のあるドラマだ。
今年の劇場公開で話題になった洋画3本も
Netflixからは、なんといっても今年いちばんの注目ドラマであり、社会派オカルトスリラーの『地獄が呼んでいる』シーズン2。未見の人はシーズン1から見てほしい。
神からの告知を受けた人々が地獄の使者によって残酷な死を迎える、という超自然現象を題材にしたストーリーだが、それをイデオロギーに利用して社会的な影響力を強めるカルト宗教に対して、狂信者集団、政治家が、それぞれの正義と社会秩序の維持を掲げて対峙していく。
思いのほか社会性が強かったシーズン1に対して、シーズン2ではマッドマックス的な世紀末の世界観のバイオレンス要素が強くなるが、1から2へのストーリーの展開も見事。韓国エンターテインメントの異彩を放つストーリーテリングを堪能できる。
アニメではNetflixの『機動戦士ガンダム 復讐のレクイエム』がすばらしい。ガンダムシリーズ第1作『機動戦士ガンダム』(1979年)の一年戦争中のヨーロッパ戦線にフォーカスし、そこで起きたある戦場での戦闘を、ジオン軍の戦士たちの視点から描く。3DCGアニメーションによるガンダムとザクの戦闘シーンのほか、人間ドラマとしても楽しめる。
また、映画であれば、今年話題になった洋画2作『デッドプール&ウルヴァリン』(ディズニープラス)、『シビル・ウォー アメリカ最後の日』(Amazonプライム)は、どちらもそれぞれの見応えとおもしろさがある。スマッシュヒットした『エイリアン:ロムルス』(ディズニープラス)も1月1日から配信スタートする。
年末年始にはテレビドラマと映画にも話題作が多い。エンターテインメントで気分一新して新たな年のスタートにしてはどうだろうか。
(『グロテスク』TM &(C)2024 FX Networks LLC. All rights reserved.)
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