選手には失意の3年8000万ドル!? この契約はオプト・アウトが2度。球団は行使されても問題ないのか
昨オフ、コディ・ベリンジャーは、ロサンゼルス・ドジャースからノンテンダー(契約解除)とされ、シカゴ・カブスと1年1750万ドル(2023年)の契約を交わした。2023年の年俸は1250万ドルだ。この契約には、2024年の相互オプション、年俸2500万ドル(解約金500万ドル)がついていた。
今オフ、ベリンジャーは、オプションを破棄し、再びFAになった。そこから、3ヵ月半を経て、カブスに戻るようだ。ESPNのジェフ・パッサンらが、3年8000万ドル(2024~26年)の再契約で合意、と報じている。
各シーズンの年俸は、2024年と2025年が3000万ドル、2026年は2000万ドルで、ベリンジャーのほうから契約を途中で打ち切ることができる、オプト・アウトの権利が2度ついているという。報道のとおりだとすると、2024年のオフに行使すれば1年3000万ドル(2024年)、2025年のオフに行使なら2年6000万ドル(2024~25年)になる。
ベリンジャーと代理人のスコット・ボラスにとっては、不本意な契約だろう。年平均額はさておき、もっと期間が長く、総額は1億5000万ドル以上、あるいは2億ドル以上の契約を望んでいたと思われる。
ベリンジャーは、メジャーリーグ最初の3シーズン(2017~19年)に111本のホームランを打ち――1シーズン平均は37.0本――出塁率.368を記録した。2021~22年は大不振ながら、2023年は26本塁打と出塁率.356と復調。センターと一塁を守り、年齢はまだ28歳だ。
今回の契約は、基本的には、2年前にカルロス・コレイアがミネソタ・ツインズと交わした契約と同じ。ボラスは、コレイアの代理人も務めている。
コレイアの契約とその後については、こちらで書いた。
◆「球団が決まっていない大物は、短期契約を交わし、来オフのFA市場で大型契約を狙う!?」
一方、カブスからすると、ベリンジャーとの再契約は、前年に惜しくも逃したポストシーズン進出に向け、大きなプラスになる。来オフにベリンジャーがオプト・アウトの権利を行使し、他球団と契約を交わしても、センターと一塁の候補はいる。それぞれ、来月に22歳となるピート・クロウ-アームストロングと、26歳のマイケル・ブッシュがそうだ。ドラフト順位は、2020年の全体19位と2019年の全体31位。2人とも、2023年にメジャーデビューし、ブッシュは、先月のトレードでロサンゼルス・ドジャースからカブスへ移った。
クロウ-アームストロングについては、こちらで書いた。