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映画でメジャーリーグの監督の母親を演じた女優が、リアルではメジャーリーガーの母親となる

宇根夏樹ベースボール・ライター
ピート・クロウ-アームストロング(シカゴ・カブス)Sep 11, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 9月11日、ピート・クロウ-アームストロング(シカゴ・カブス)は、メジャーリーグの試合に初めて出場した。

 7回表にマイク・トークマンの代走として起用され、内野ゴロで二塁に進んだ後、三盗に失敗。その裏からセンターを守り、9回表の初打席はバントで走者を進めた。

 クロウ-アームストロングの両親は、どちらも俳優だ。母はアシュリー・クロウ、父はマシュー・ジョン・アームストロング。2人とも、テレビ・シリーズの「ヒーローズ」に出演している。

 息子のメジャーデビューにより、アシュリーは、メジャーリーガーの母親となった。

 その前に、アシュリーは、映画「リトル・ビッグ・リーグ」でメジャーリーガーの母親を演じている。この映画では、12歳の少年がミネソタ・ツインズのオーナー&監督となる。

 映画の公開は1994年、ピートが生まれたのは2002年だ。

 ただ、クロウ-アームストロングは、母親のトリビアだけで終わる選手ではない(はずだ)。ドラフト指名は、2020年の全体19位。翌年の夏に、ハビア・バイエズ(現デトロイト・タイガース)とトレバー・ウィリアムズ(現ワシントン・ナショナルズ)の2人+金銭と交換に、ニューヨーク・メッツからカブスへ移籍した。カブスが獲得したのは、クロウ-アームストロングだけだ。

 クロウ-アームストロングは、守備に優れている。もちろん、それだけでなく、今シーズンは、AAの73試合とAAAの34試合に出場し、計107試合で打率.283と出塁率.365、20本塁打と37盗塁、OPS.876。三塁打は7本、二塁打は26本だ。

 今シーズン、カブスのセンターは、コディ・ベリンジャーとトークマンが主に守ってきた。2人のうち、ベリンジャーは、今オフにFAとなる。トークマンは、レギュラーとしてはやや物足りない。

 なお、メッツは、クロウ-アームストロングの2年前にも、ドラフトで俳優の息子を指名している。映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」 #BTF でビフ・タネンを演じたトーマス・ウィルソンの息子、トミー・ウィルソンだ。こちらは、19巡目・全体560位だった。

 トミーは、メジャーデビューしていない。2021年にメッツ傘下のAAで投げ、そのオフにボルティモア・オリオールズへ移ってからは一度も登板せず、今年の夏に解雇されている。

 ウィルソン親子については、プロ入りした時にこちらで書いた。

「「バック・トゥ・ザ・フューチャー」に登場する名悪役の息子がメッツに入団」

 クロウ-アームストロングは、まもなく始まる9月12日の試合に、「8番・センター」として先発出場する。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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