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大迫は不合格で長友、柴崎は合格のなぜ。チャンピオンズリーガーへのリスペクトにも欠けた

杉山茂樹スポーツライター
(写真:岸本勉/PICSPORT)

「非情なことをした」。ドーハ入りした森保監督は、現地で行われた囲み取材でそう述べたという。それがそのままネットニュースの見出しになっていたが、定員がある以上、誰かを加えれば誰かが落ちるのは当然。入り口と出口、門戸が常時、開いた状態にあるのが代表チームの姿である。

 そして代表監督は選手を取捨選択する一番の責任者だ。指導する期間の短さはクラブ監督の比ではない。代表監督は、指導より選択に重きが置かれるセレクターである。

 森保監督はその囲み取材で、大迫勇也や原口元気の落選について言及したそうだが、筆者にはそれが非情な選択には見えない。彼ら以外にも言及しなければならない惜しい選手はたくさんいる。筆者はシンプルに大迫という、選ばれなければならなかった選手を落とした点に異を唱えているに過ぎない。

 就任して4年強。森保監督がこの間、招集した人数は優に100人を超えるが、代表監督が変わればメンバーは3分の1程度が入れ替わるものとされるのがサッカーだ。26人の顔ぶれは監督の趣向でいくらでも変わる。それは選手の優劣を示すデータが、他の競技に比べ極端に少ないというサッカーの特殊性にも起因する。

 サッカーの代表監督=セレクターという、この上なくドライな職業に就く人が「非情なことをした」と、情のあるコメントを口にしても、それに同情したり、相槌を打つ気にはなれない。センチメンタルな気分を全開に、仕事の大変さをアピールしたり、自らをかわいそうがったり、ウエットになったりする真似は、慎むべきではないかと指摘したくなる。

 それはともかく、森保監督はアキレス腱の手術をした中山雄太の代役として町野修斗をメンバーに加えた。代表では左サイドバック(SB)のみならず、守備的MF、さらにはセンターバック(CB)を務めたこともある多機能性を秘めた中山と、センターフォワード(CF)タイプの町野では、キャラもポジションも大きく異なる。この変更をどう見るか。

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スポーツライター

スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、プレスパス所有者として2022年カタール大会で11回連続となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

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