史上4人目の50イニング以上で防御率0.70未満となるか。ここまでは69.1イニングで防御率0.65
今シーズン、エマニュエル・クラッセ(クリーブランド・ガーディアンズ)は、69登板で69.1イニングを投げ、奪三振率8.18と与四球率1.04、防御率0.65を記録している。被本塁打は2本、失点は10、自責点は5だ。
1シーズンに50イニング以上を投げ、防御率0.70未満を記録した投手は、これまでに3人しかいない。2016年に67.0イニングで防御率0.54のザック・ブリットン、2012年に74.2イニングで防御率0.60のフェルナンド・ロドニー、1990年に73.1イニングで防御率0.61のデニス・エカーズリーがそうだ。
このまま、防御率が上がらなければ、クラッセは、彼らに続く4人目となる。
自責点が5から6に増えると、防御率0.70未満は難しい。ここまでの69.1イニングで自責点5に加え、ここから8.0イニングで自責点1なら、77.1イニングで自責点6は防御率0.70、厳密に言えば0.698…だが、ガーディアンズのレギュラーシーズンはあと10試合だ。
ガーディアンズは、地区首位に立っている。地区優勝だけでなく、ポストシーズンでワイルドカード・シリーズをスキップし、ディビジョン・シリーズからスタートできる、シード1あるいはシード2のポジションも、手中に収めかけている。ポストシーズンを控え、クローザーのクラッセを疲労させたくはないはずだ。また、今シーズン、クラッセがイニングをまたいで投げたのは、8月20日の1登板しかない。
ポストシーズンのシードについては、こちらで書いた。
◆「ここ5試合で4敗のドジャースが気になるのは、パドレスとDバックスよりもブルワーズの勝敗!?」
ちなみに、50イニング以上のシーズン防御率ランキングにおいて、ブリットン、ロドニー、エカーズリーの3人に次ぎ、4位と5位に位置しているのは、1986年に50.1イニングで防御率0.72のロブ・マーフィーと、2018年に80.1イニングで防御率0.78のブレイク・トライネン(当時オークランド・アスレティックス/現ロサンゼルス・ドジャース)だ。
なお、クラッセは、今シーズンのセーブ王を確定させている。現時点の46セーブは、ア・リーグ2位のジョシュ・ヘイダー(ヒューストン・アストロズ)より15セーブ多い。2022年の42セーブと2023年の44セーブに続き、3シーズン連続のタイトルだ。
また、ここからレギュラーシーズンが終わるまでにセーブを挙げると、チームのシーズン記録を塗り替える。現時点の46セーブは、1995年のホゼ・メサと並んでいる。通算157セーブは、すでにチーム記録だ。こちらは、通算149セーブのコディ・アレンを上回った。
現在、クラッセは26歳だ。ガーディアンズとクラッセは、2022年の開幕直前に5年2000万ドル(2022~26年)の延長契約を交わした。この契約には、2027年と2028年の球団オプションもついている。