自粛8週目 規制緩和進む北欧ノルウェー、街の様子は今
ノルウェーで最初の感染者が発表されたのは2月26日。それからは毎日、感染者数が増加し続けた。
首都オスロの街の変化を、写真を見ながら振り返ってみる。
ノルウェー政府は3月12日から、国境管理の厳格化、住所登録されている自治体以外での余暇施設での宿泊禁止などの規制を開始。
入国者・帰国者・感染者は14日間の自宅隔離となり、違反した場合は罰金または最高6ヶ月の懲役刑に処せられる。
そのほかの規制として、
- 幼稚園・保育園から大学までの全ての教育機関は閉鎖
- 文化事業・スポーツ事業・組織化されたスポーツ活動は屋内外を問わず禁止
- 互いの距離を1m以上あけることが不可能な場合の施設は営業停止。飲食店では、基本的には「食品を提供する」かどうかが判断基準。食品提供がある場合は営業可能。バーやパブなどの食品提供がない飲食店は営業停止
- ビュッフェ形式の食品提供は禁止
- ジム・スイミングプールなどの施設は閉鎖
- 美容院・スキンケア・マッサージ・ボディーケア・タトゥー・ピアスなどの施術を行う施設は閉鎖
公共交通機関は通常通り運行された。
「外出禁止令」は出されておらず、可能であれば外出は避け、在宅勤務をするように政府は要請。
要請なので、毎日それでも会社に通勤する人もいれば、外を出歩く人もいる。
「街から人が消えた」という印象を受けるかどうかは、その人の住む場所や移動エリアにもよるだろう。
住んでいる場所によっては、「みんな家にいるんだな」と静かになった光景に驚くかもしれない。
首都オスロの中心部によっては、驚くほどに人が密集している場所もある。
レストランやカフェなどは、臨時休業する店もあれば、テイクアウェイのみで営業を続ける店もある。
4月7日、ソールバルグ首相は記者会見を開き、ウイルス感染拡大がコントロール下に入ったため、社会的機能を少しずつ再開していくと発表。
段階的な規制緩和の一例(感染拡大防止対策が守られている場合):4月20日から幼稚園・保育園の再開、27日から美容院・学童保育・小学校4年生までを対象に再開
4月30日、政府は5月7日から50人までのイベントであれば開催可能と発表(責任者となるイベントの開催者がいること、人同士が1メートルの社交的距離をとることが条件)。
少ない観客とはなるが、劇場、映画館などは再開できることになるので、文化業界からは歓迎の声があがった。
9月1日まで500人以上が集まるイベントは禁止されているので、夏の音楽祭やスポーツ行事は中止となっている。
臨時休業を決めていた店も、続々と再開。
まだ多くの市民が在宅勤務をしているが、通勤を始めている人もいる。街に人が戻ってきたので、再開するカフェも増えてきた。
街に人の姿が戻る
政府の規制が始まり、市民の自粛が始まって8週目を迎えている。どんどん規制緩和されていることから、営業再開する店、街を出歩く人は明らかに増えてきている。
首相や保健大臣が「ウイルスはコントロール下にある」と発表してから、市民の動きも経済も活発化している。
しかし、第二波がくる原因になりかねないため、政府は新しい規制を設けることも検討中だ。
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Photo&Text: Asaki Abumi