自粛4週目のノルウェー 散歩をする人が急増で、分散を呼び掛ける事態に
必要のない外出を避け、在宅勤務などを政府が推奨して、およそ4週目を迎えるノルウェー。
ノルウェー公衆保健研究所によると、10万8709人が検査をされ、5640人の感染が確認され、死亡者は58人(人口は530万人と北海道ほど)。
外出禁止令は出ていないので、他者と1~2メートルの社交的距離を置いているなら、散歩などはしていいことになっている。
八百屋の看板にはこう書かれていた。
「互いと距離を保ちましょう。設置してある手袋や消毒液を使用してください。大勢の状態になることは避けましょう。よく食べましょう。ひとりひとりのために、団結する時です!」
人気の公園に、人は本当にたくさんいるのか?
オスロにはヴィーゲラン彫刻公園(別名:フログネル公園)と呼ばれる、市民の憩いの場・観光スポットがある。
自粛が求められる中、冬が明け、青空の快晴の日が訪れると、市民は散歩をしたくなる。
散歩はいいのだが、問題は定番スポットに人が集まりやすいことだった。
今、山岳協会やオスロ市は、「散歩はしましょう。でも、近所で散歩しましょう」と必死に呼びかけている。
この彫刻公園にも、「人が集まりすぎている」と現地メディアで度々取り上げられていた(3月28日の公園の様子を報道した地元紙の記事では、人がもっと多い)。
実際、確かに人はいるが、とても広い場所なので、人との距離は2メートル以上は離れている。
散歩を愛する国だから
自然に囲まれた国なので、市民はもともと外での活動が好きだ。
ノルウェー人がいう「散歩」という言葉を、日本語の「散歩」として解釈してしまうと、現地で仰天することとなる。
散歩好きな国では、「散歩」とは本格的な登山やハイキングも意味するからだ。
散歩する人に比例して、ゴミが増えてしまった
自宅で過ごす人が増えた結果、当然と、森や川の周辺を散歩する人が増えた。
オスロ市では、このような自然エリアのゴミ箱で捨てられる量が通常よりも5倍に増えてしまい、ゴミは持ち帰るように市は呼び掛けている(公共局NRK)。
散歩をするなら、あなただけの穴場スポットをみつけて
散歩をするのはいいが、人気や定番の散歩コースに人が集まりやすいことから、各自治体などは「もっと分散してください」とSNSなどでお願いをしている。
先週末から13日までは、イースター(復活祭)の休暇に入っている人が多い。通常は山小屋や国外旅行へ行く人が多いが、新型コロナの影響で、自宅で過ごす人が増える。
イースター効果で散歩をする人が増えるであろうことから、「広い国で十分なスペースはあるから、近所にある、一般に知られていない穴場を見つけて」という情報伝達が、急いで進められている。
Photo&Text: Asaki Abumi