Yahoo!ニュース

内閣改造で感じる安倍政権と財務省との攻防

田中良紹ジャーナリスト

フーテン老人世直し録(178)

神無月某日

第三次安倍改造内閣が始動した。ほとんど代わり映えのしない布陣で論評する意欲を湧かせない。むしろ注目させない所に狙いがあるのではないかと思わせるほどである。

「一億総活躍」とか「アベノミクス第二ステージ」とかのキャッチフレーズだけを国民に印象付け、具体的に何をやっているかを見えなくして国民の期待感をつなぐ。それが来年の参議院選挙に向けた安倍政権の戦略であるかのようだ。これは政治家の思考というよりPR会社が考えそうな思考である。

そうした中、安倍側近の中では唯一「出来る政治家」とフーテンが認めてきた加藤勝信前総理補佐官が新設の一億総活躍担当大臣に就任した。就任の記者会見を聞く限り、何をやるのか本人も分かっていない状態で、すべてはこれから決めていくという。

看板政策にしては頼りない話だが、加藤氏が財務省出身の政治家である事を考えると、これは加藤氏の背後の財務省を意識した人事ではないかと思えてくる。これまで安倍政権と対立してきた財務省に「一億総活躍社会」の知恵を出させ協力させる狙いをフーテンは感ずるのである。

この記事は有料です。
「田中良紹のフーテン老人世直し録」のバックナンバーをお申し込みください。

「田中良紹のフーテン老人世直し録」のバックナンバー 2015年10月

税込550(記事5本)

※すでに購入済みの方はログインしてください。

購入についての注意事項を必ずお読みいただき、同意の上ご購入ください。欧州経済領域(EEA)およびイギリスから購入や閲覧ができませんのでご注意ください。
ジャーナリスト

1969年TBS入社。ドキュメンタリー・ディレクターや放送記者としてロッキード事件、田中角栄、日米摩擦などを取材。90年 米国の政治専門テレビC-SPANの配給権を取得。日本に米議会情報を紹介しながら国会の映像公開を提案。98年CS放送で「国会TV」を開局。07年退職し現在はブログ執筆と政治塾を主宰■オンライン「田中塾」の次回日時:11月24日(日)午後3時から4時半まで。パソコンかスマホでご覧いただけます。世界と日本の政治の動きを講義し、皆様からの質問を受け付けます。参加ご希望の方は https://bit.ly/2WUhRgg までお申し込みください。

田中良紹の最近の記事