内閣改造で感じる安倍政権と財務省との攻防
フーテン老人世直し録(178)
神無月某日
第三次安倍改造内閣が始動した。ほとんど代わり映えのしない布陣で論評する意欲を湧かせない。むしろ注目させない所に狙いがあるのではないかと思わせるほどである。
「一億総活躍」とか「アベノミクス第二ステージ」とかのキャッチフレーズだけを国民に印象付け、具体的に何をやっているかを見えなくして国民の期待感をつなぐ。それが来年の参議院選挙に向けた安倍政権の戦略であるかのようだ。これは政治家の思考というよりPR会社が考えそうな思考である。
そうした中、安倍側近の中では唯一「出来る政治家」とフーテンが認めてきた加藤勝信前総理補佐官が新設の一億総活躍担当大臣に就任した。就任の記者会見を聞く限り、何をやるのか本人も分かっていない状態で、すべてはこれから決めていくという。
看板政策にしては頼りない話だが、加藤氏が財務省出身の政治家である事を考えると、これは加藤氏の背後の財務省を意識した人事ではないかと思えてくる。これまで安倍政権と対立してきた財務省に「一億総活躍社会」の知恵を出させ協力させる狙いをフーテンは感ずるのである。
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