なぜソシエダはタイトルを逃してしまったのか?久保建英の活躍と不足している「基礎的な」要素。
予兆は、あったのかも知れない。
今季のコパ・デル・レイ準決勝、レアル・ソシエダとマジョルカが激突した。両者はファーストレグを0−0と引き分けで終えた後、セカンドレグでも死闘を繰り広げ、最終的には1−1の末にPK戦でマジョルカが決勝への切符を勝ち取っている。
少し、時を遡る。
リーガエスパニョーラ第26節、ソシエダはビジャレアルと対戦した。この試合前に、イマノル・アルグアシル監督は「正直に言う。我々は、全員、次の火曜日のコパの試合について考えている」と語っていた。
「ネクスト・ゲームが大事なのだと、いつも言ってきた。しかし、観客がいる中で、決勝でプレーする可能性がある。それは3年前、できなかったことだ」
2019−20シーズン、ソシエダはコパを制している。バスク・ダービーとなった決勝で、アトレティック・クルブに打ち勝った。だがコロナ禍の開催で、スタンドに観客はいなかった。
無論、ソシエダ陣営の気持ちは分からなくない。しかし、イマノル監督としては珍しく、地に足が着いていなかった。結果、ビジャレアルに敗れたのち、マジョルカにも敗れて、タイトル獲得の可能性が消滅した。
ただ、ソシエダが敗れた原因は姿勢にあるだけではない。戦術的にも、ソシエダ課題を抱え続けてきた。
■戦術的要因とビルドアップ
このコラムで幾度となく述べてきたが、今季のソシエダはビルドアップが上手くない。
つまり、対戦相手からすれば、押さえるべきところを押さえてしまえば、ソシエダの攻撃力を半減させることが容易になる。
具体的には「アンカー潰し」だ。マルティン・スビメンディを押さえれば、ソシエダのビルドアップは呼吸不全に陥る。
そのパターンは大きく分けて次の2つだ。
(1)F Wのプレスバック
(2)中盤の選手の押し出し
■マジョルカの手法
例えばマジョルカは、ファーストレグで(1)を、セカンドレグで(2)を選択した。
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