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最優秀防御率の日本シリーズ2登板連続KOはあるのか。第6戦に登板の山本由伸は第1戦に7失点

宇根夏樹ベースボール・ライター
山本由伸 August 4, 2021(写真:ロイター/アフロ)

 日本シリーズの第6戦は、第1戦と同じ2人、村上頌樹(阪神タイガース)と山本由伸(オリックス・バファローズ)が先発マウンドに上がる。

 第1戦は、村上が7イニングを投げて得点を許さず、山本は5.2イニングで7失点(自責点7)。6回表、2死二、三塁の場面で降板した時点では6失点だったが、代わった投手が三塁走者に生還され、山本に失点と自責点がついた。

 今シーズン、村上と山本は、どちらもリーグ1位の防御率を記録した。各リーグの最優秀防御率がその年の日本シリーズで先発投手として2度投げ合うのは、史上初となる。

 過去の投げ合いについては、こちらで書いた。

「日本シリーズで最優秀防御率の投げ合いは斉藤と井川が最後。今年はオリックスの山本と阪神の村上が1位」

 また、今世紀に入ってから、最優秀防御率のタイトルを獲得した年に日本シリーズ出場は、今年の村上と山本が延べ12人目と13人目。その前の10人目と11人目は、2021年と2022年の山本だ。

 11人の日本シリーズの登板は、以下のとおり。

筆者作成
筆者作成

 2002年の桑田真澄、2009年のダルビッシュ有(現サンディエゴ・パドレス)、2020年の千賀滉大(現ニューヨーク・メッツ)、2022年の山本は、シリーズ1登板。あとの8人は、先発2登板あるいは先発2登板とリリーフ1登板だ。

 今年の山本は、2012年の吉川光夫(現・栃木ゴールデンブレーブス)と同様のパターンだと、シリーズが終わってしまいかねない。また、2年前は、第1戦も第6戦も1失点(自責点1)ながら、第6戦はオリックスも1得点しか挙げられず、延長12回表にリリーフ投手が1点を取られ、シリーズはその裏で終了した。

 一方、山本が2004年の松坂大輔と同じようなパターンなら、オリックスは連覇に望みをつなぐことができるかもしれない。19年前の松坂は、第2戦の8失点(自責点8)から一転し、第6戦は2失点(自責点2)。2回裏と4回裏に1点ずつ取られたが、5回裏から7回裏までの3イニングはパーフェクトに抑え、8回裏は2人を歩かせたものの、ヒットは打たれなかった。

 村上は、第1戦に続いて第6戦も好投すれば、シリーズMVPもあり得そうだ。同じ年に最優秀防御率と日本シリーズMVPは6人いるが、1987年の工藤公康を最後に途絶えている。その前の5人は、1954年の杉下茂、1955年の別所毅彦、1958年の稲尾和久、1959年の杉浦忠、1977年の山田久志だ。錚々たる顔ぶれが並ぶ。6人中、レギュラーシーズンの通算白星が最も少ない杉浦でも187勝を挙げ、あとの5人は200勝を超えている。

 これまでに、3勝2敗/2勝3敗となった日本シリーズのその後については、こちらで書いた。

「先に王手をかけて日本シリーズ優勝を逃した例は14年間なし。阪神は3勝2敗、オリックスは2勝3敗」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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