日本シリーズで最優秀防御率の投げ合いは斉藤と井川が最後。今年はオリックスの山本と阪神の村上が1位
日本シリーズで対戦するオリックス・バファローズと阪神タイガースは、両チームとも、今年のレギュラーシーズンに最優秀防御率のタイトルを獲得した投手を擁する。防御率1.21の山本由伸と防御率1.75の村上頌樹がそうだ。山本の最優秀防御率は3年連続4度目(1度目は2019年)。プロ2年目の村上は初タイトル。昨シーズンの一軍登板は、5.1イニングに過ぎなかった。
その年の防御率リーグ1位が揃って出場した日本シリーズは、これまでに11度を数える。直近の2003年は、パ・リーグもセ・リーグも1人ずつ出場ながら、全員ではない。この年のパ・リーグは、福岡ダイエー・ホークスの斉藤和巳と西武ライオンズの松坂大輔が防御率2.83――ともに194.0イニングを投げて自責点61――を記録し、最優秀防御率のタイトルを分け合った。福岡ダイエーと西武は、5.5ゲーム差の1位と2位。プレーオフやクライマックス・シリーズはなかった。
1951年の各リーグ防御率1位、南海ホークスの柚木進と読売ジャイアンツの松田清を除く10組は、日本シリーズで同じ試合に登板している。ただ、彼らが先発投手として投げ合った試合は多くない。1962年の第5戦に東映フライヤーズの久保田治と阪神の村山実、1965年の第3戦に南海ホークスの三浦清弘と読売ジャイアンツの金田正一、1991年の第4戦に西武の渡辺智男と広島東洋カープの佐々岡真司、2003年の第1戦に福岡ダイエーの斉藤と阪神の井川慶。この4試合だけだ。
今年の日本シリーズで、山本と村上が同じ試合の先発マウンドに上がれば、その年の防御率リーグ1位による投げ合いは、史上5度目ということになる。
過去の4試合は、両投手でなく一方の投手が無失点も皆無。計8人とも、少なくとも2失点だ。ともに5イニング以上を投げたのも、2003年の第1戦しかない。1962年の第5戦は、2人揃って初回に失点。久保田が2ラン本塁打、村山は3ラン本塁打を打たれた。1965年の第3戦は、1回裏に三浦が2点を取られ、3回途中に降板。金田は初回からスコアボードにゼロを6つ並べたが、7回表の3失点で逆転された。1991年の第4戦は、佐々岡がノーヒッターまで5アウトに迫った一方で、渡辺は最初の2イニングに1失点ずつ。3回裏に無死一、二塁となったところでマウンドを降りた。2003年の第1戦は、井川が5イニング3失点(自責点3)、斉藤は6.2イニング4失点(自責点3)だった。
なお、山本も村上も、直近の登板は10月18日だ。それぞれ、クライマックス・シリーズのファイナル・ステージ第1戦に投げ、山本は7イニング5失点(自責点5)、村上は6イニング1失点(自責点1)。山本が5点以上を取られたのは、昨年7月2日の6.2イニング5失点(自責点5)以来だ。村上は、10月18日を含め、ここ10登板とも2失点以下に抑えている。