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イグレシアスが自ら契約を打ち切って退団したのは、新たな球団の目処が立っているから!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
ホゼ・イグレシアス Mar 17, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 4月20日、遊撃手のホゼ・イグレシアスは、マイアミ・マーリンズとの契約を自ら打ち切り、FAになったらしい。MLB.comのマーク・フェインサンドが、報じている。

 イグレシアスと一塁手のユリ・グリエルは、3月上旬にマーリンズとマイナーリーグ契約を交わした。彼らのうち、グリエルは開幕ロースターに入ったが、イグレシアスは入れなかった。「キューバ出身のイグレシアスとグリエルは同球団とマイナーリーグ契約。揃って開幕ロースター入りはあるのか」で書いた予想とは、反対の結果となった。

 その後も、イグレシアスは、昇格することなく、マイナーリーグでもプレーしていなかった。

 ここから、イグレシアスは、ロサンゼルス・ドジャースに入団するかもしれない。

 ドジャースでは、遊撃手の故障が相次いでいる。まず、2月下旬にギャビン・ラックスが右膝の靱帯を損傷し、シーズン全休となった。それについては、「シーズン絶望となった「新遊撃手」の穴をどう埋めるのか。FA市場に残っている遊撃手を手に入れる!?」で書いた。

 続いて、開幕から遊撃を守ってきた2人のうち、ミゲル・ロハスが左太腿裏を痛め、4月19日に故障者リスト入りした。クリス・テイラーは、離脱こそしていないものの、左脇腹の状態が思わしくなく、18日~20日の3試合とも、スターティング・ラインナップから外れている(19日は代走として出場)。

 4月18日以降、遊撃の守備についたのは、18日がロハス→ルーク・ウィリアムズ、19日がウィリアムズ、20日はウィリアムズ→ムーキー・ベッツだ。

 4月17日まで、ウィリアムズはAAAにいた。ベッツが遊撃を守るのは、メジャーリーグでは初めてだ。これまでは、ライトとセンターに二塁。2016年以降はライトを定位置としていて、2016~22年の7シーズン中、2021年以外の6シーズンはゴールドグラブを受賞している。

【追記:4/26】

 MLB.comのマーク・フェインサンドによると、イグレシアスはサンディエゴ・パドレスとマイナーリーグ契約を交わしたという。

 イグレシアスの昇格は、故障者が出ない限り、実現の可能性は低い。パドレスの遊撃にはザンダー・ボガーツがいて、二塁を守っているハソン・キムも、本来は遊撃手だ。ライトのフェルナンド・タティースJr.も、出場停止前は遊撃手としてプレーしていた。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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