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村上宗隆が迫るシーズン記録は「60本塁打」だけじゃない。小鶴誠の「376塁打」も射程圏

宇根夏樹ベースボール・ライター
村上宗隆(東京ヤクルト・スワローズ)Aug 4, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 東京ヤクルト・スワローズは、レギュラーシーズンの143試合中124試合を終え、村上宗隆は、53本のホームランを打っている(出場123試合)。残る19試合も、これまでと同じ、1試合につき約0.43本塁打のペースだと、シーズン全体の本数は61本となり、2013年にウラディミール・バレンティンが樹立した、シーズン記録の60本塁打を上回る。

 また、村上は、323塁打を記録している。こちらもペースが変わらなければ、シーズン全体で372塁打となる。塁打のシーズン記録は376だ。2リーグ制がスタートした1950年に、小鶴誠が打ち立てた。372塁打なら、72年前の小鶴とは4塁打差。ホームラン1本分だ。小鶴に並ぶ、あるいは追い抜くことは、不可能ではないだろう。

 ちなみに、塁打のトップ10は、以下のとおり。村上の323塁打の内訳は、シングル・ヒットが72本(72塁打)、二塁打が18本(36塁打)、三塁打が1本(3塁打)、ホームランは53本(212塁打)だ。

筆者作成
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 小鶴は、得点と打点のシーズン記録も保持している。塁打と同じく1950年の、143得点と161打点だ。今シーズンの村上は、この2つには届きそうにない。現時点では、102得点と128打点。ここからも同じペースだと、シーズン全体では117得点と147打点となる。とはいえ、この数値に達すれば、得点は2006年の福留孝介(中日ドラゴンズ)、打点は2005年の今岡誠に並び、それぞれ、歴代16位タイと3位タイに位置する。

 村上は、四球でも歴代トップ20に入りそうだ。ここまでの102四球は、得点と同じ数値なので、シーズン全体では117四球のペース。そうなれば、2014年に118四球のアンドルー・ジョーンズと1999年に116四球のロベルト・ペタジーニの間に入り、歴代20位となる。なお、ペタジーニは、2001年に120四球を記録していて、こちらは歴代15位タイ。歴代1位は、1974年に158四球の王貞治だ。

 他に、村上の出塁率.471、長打率.758、OPS1.229は、シーズンが終わった時点でも同じ数値の場合、1950年以降の歴代16位、歴代5位、歴代7位にランクインする。シーズン出塁率とシーズンOPSの順位は、出塁率を現行の計算方法で算出したものだ。それぞれの歴代トップ20は、こちらにリストを掲載した。

「「シーズン出塁率」の歴代トップ20。半数は王貞治だが、現役選手も2人ランクイン」

「「シーズンOPS」の歴代トップ20。上位の6人は三冠王と60本塁打。今世紀のトップ20は…」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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